介護の加算は、サービスの種類ごとに告示で定められています。同じ名前の加算でも、サービスによって単位数や要件、「1日につき」「1月につき」といった算定の単位が違うため、自事業所のサービスの加算一覧で確かめることが出発点になります。
このページでは、ケアロジカで公開している12サービスの加算一覧を、施設・居住系・通所・訪問・ショートステイと小規模多機能の種類別に並べ、各サービスの加算の特徴と主な加算を紹介します。そのうえで、複数のサービスに共通する加算と減算、自事業所の加算を確かめる手順を示します。各サービスの記事の単位数は、2026年6月改定後のものです。
施設 サービス (特養・ 老健・ 介護 医療院)の 加算
施設サービスの加算は、夜勤や看護の体制、栄養・口腔のケア、医療機関との連携と看取りなど、入所者の生活全体に関わるものが多くあります。3つの施設に共通する加算もありますが、看取りの加算は特養では「看取り介護加算」、老健では「ターミナルケア加算」と名称も単位数も違うため、施設の種類ごとの一覧で確かめます。
- 特養(介護老人福祉施設)の加算一覧:体制、入所者の状態とケアの取組、医療連携と看取り、感染症対策・生産性向上・処遇改善の4系統で整理しています。夜勤職員配置加算、看護体制加算、日常生活継続支援加算、配置医師緊急時対応加算などがあります。
- 老健(介護老人保健施設)の加算一覧:基本型・在宅強化型・療養型などの施設の区分で、算定できる加算が変わります。在宅復帰・在宅療養支援機能加算、短期集中リハビリテーション実施加算、入所前後訪問指導加算、所定疾患施設療養費など、在宅復帰と医療対応の加算が特徴です。
- 介護医療院の加算一覧:医療・認知症ケアの体制、栄養・口腔、自立支援・科学的介護、協力医療機関・感染対策・職員体制と処遇改善の4系統で整理しています。夜間勤務等看護加算、重度認知症疾患療養体制加算、経口維持加算、療養食加算などがあります。
居住系 サービス (特定 施設・ グループホーム)の 加算
居住系サービスでは、同じ事業所でも、利用の形によって算定できる加算が変わる点に注意します。
- 特定施設入居者生活介護の加算一覧:加算の多くは一般型でしか算定できず、外部サービス利用型や短期利用で算定できるものは一部です。入居継続支援加算、夜間看護体制加算、看取り介護加算、退院・退所時連携加算などがあり、看取り介護加算は夜間看護体制加算の算定が前提になります。
- グループホーム(認知症対応型共同生活介護)の加算一覧:多くの加算は入居の利用者にだけ算定でき、短期利用の利用者には算定できません。夜間支援体制加算、医療連携体制加算、認知症専門ケア加算、退居時相談援助加算などがあります。
通所 サービス (デイサービス・ 通所 リハビリテーション)の 加算
通所サービスの加算は、「1日につき」「1回につき」「1月につき」と算定の単位が加算ごとに違い、回数に限度があるものも多いのが特徴です。単位数だけでなく、算定の単位と回数の限度をあわせて確かめます。
- デイサービス(通所介護)の加算一覧:利用者の状況、機能訓練、口腔と栄養、事業所の体制の4系統で整理しています。入浴介助加算、中重度者ケア体制加算、個別機能訓練加算、口腔機能向上加算などがあります。
- 通所リハビリテーションの加算一覧:リハビリテーションマネジメント加算のように、同意日からの期間で単位数が変わる加算があります。短期集中個別リハビリテーション実施加算、生活行為向上リハビリテーション実施加算、理学療法士等体制強化加算などがあります。
訪問 サービス (訪問 介護・ 訪問 看護)の 加算
訪問サービスの加算は、訪問1回ごとの時間帯や人数で決まるものと、事業所の体制で決まるものに分かれます。
- 訪問介護の加算一覧:夜間・早朝や深夜の加算のように、所定単位数に対する割合で決まる加算が多く、事業所の体制は主に特定事業所加算で評価されます。科学的介護推進体制加算やサービス提供体制強化加算は、訪問介護の算定構造にはありません。
- 訪問看護の加算一覧:緊急時訪問看護加算、特別管理加算、ターミナルケア加算など、医療ニーズへの対応を評価する加算があり、届出が必要な加算も多くあります。2026年6月には、訪問看護にも介護職員等処遇改善加算が新設されました。
ショートステイと 小規模多 機能の 加算
- ショートステイ(短期入所生活介護・短期入所療養介護)の加算一覧:2つのサービスで算定構造が別です。短期入所生活介護は看護体制・医療連携・緊急の受入れ・送迎を、短期入所療養介護は医学的な管理・リハビリテーション・認知症ケアを評価する加算が中心です。
- 小規模多機能型居宅介護の加算一覧:基本報酬が登録者1人につき1月単位の包括報酬で、加算も多くが1月単位です。総合マネジメント体制強化加算、訪問体制強化加算、看護職員配置加算、認知症加算などがあり、過少サービスに対する減算もあります。
- 看護小規模多機能型居宅介護の加算一覧:小規模多機能型居宅介護と共通の加算に、特別管理加算やターミナルケア加算などの看護系の加算が重なります。利用者が医療保険の訪問看護を受ける場合などには、月額の基本報酬から差し引く減算があります。
複数の サービスに 共通する 加算と 減算
次の加算と減算は、複数のサービスの加算一覧に共通して出てきます。表は、このページで紹介している12サービスの記事に載っているかどうかで整理したものです。要件や単位数はサービスごとに違うので、算定するときは各サービスの記事と詳しい解説の記事で確かめてください。
加算・減算 | 一覧に載っているサービス | 詳しい解説 |
|---|---|---|
介護職員等処遇改善加算 | 12サービスすべて(訪問看護は2026年6月に新設) | |
サービス提供体制強化加算 | 訪問介護を除く11サービス | |
科学的介護推進体制加算 | 特養・老健・介護医療院・特定施設・グループホーム・デイサービス・通所リハビリテーション・小規模多機能・看護小規模多機能 | |
生産性向上推進体制加算 | 特養・老健・介護医療院・特定施設・グループホーム・ショートステイ・小規模多機能・看護小規模多機能 | |
協力医療機関連携加算 | 特養・老健・介護医療院・特定施設・グループホーム | |
看取りの加算 | 看取り介護加算は特養・特定施設・グループホーム、ターミナルケア加算は老健・訪問看護・看護小規模多機能 | |
高齢者虐待防止措置未実施減算・業務継続計画未策定減算 | 12サービスすべて | |
身体拘束廃止未実施減算 | 特養・老健・介護医療院・特定施設・グループホーム・ショートステイ・小規模多機能・看護小規模多機能 |
処遇改善加算とサービス提供体制強化加算はほとんどのサービスにあるため、算定していなければ最初に検討する候補になります。また、科学的介護推進体制加算のようにLIFEへの情報の提出が要件になる加算は、提出の頻度が加算ごとに違います。加算ごとの提出頻度は「LIFEへの提出が必要な加算の一覧」で解説しています。
自事業所の 加算を 確かめる 手順
加算一覧の読み方(単位の付き方・届出の要否・支給限度額の管理)は「介護報酬の加算一覧の見方」で解説しています。一覧を使って自事業所の加算を確かめるときは、次の順に進めます。
- 自事業所のサービスの加算一覧で、算定中の加算に印を付ける。よくある失敗は、別のサービスの資料を流用することです。たとえば、特養の看取り介護加算の資料は、老健のターミナルケア加算には使えません。
- 印の付いていない加算から、今の体制で満たせそうなものを選び、算定要件を告示と留意事項通知で確かめる。調べ方は「介護加算の算定要件の調べ方」で解説しています。よくある失敗は、単位数だけを見て、記録や会議などの続けて必要になる作業を見落とすことです。
- 算定を始める加算は、体制届の提出先と提出時期を確かめる。流れは「介護加算の届出(体制届)の流れ」、算定を始められる月は「介護加算はいつから算定できるか」で解説しています。よくある失敗は、提出の時期を確かめずに準備を進め、算定の開始が予定より遅れることです。
- 算定中の加算は、要件を満たし続けているかを毎月確かめる。確認項目は「介護加算のチェックリスト」にまとめています。よくある失敗は、職員の退職や入退所で人数の要件を下回ったのに、届出時の数字のまま算定を続けることです。
算定の抜けを埋めることは、事業所の収入のためだけでなく、要件となっている体制やケアを利用者に届けていることを、記録と報酬の両面で示すことにもなります。
まとめ
介護の加算は、サービスの種類ごとに単位数・要件・算定の単位が違います。まず、自事業所のサービスの加算一覧で、算定中の加算と算定していない加算を分けてください。そのうえで、算定していない加算の要件と届出の時期を確かめ、算定中の加算は毎月要件を満たしているかを点検します。
参考
- 厚生労働省「介護報酬の算定構造のイメージ(R8.6.1)」

