通所リハビリテーションの加算は、リハビリテーションマネジメント加算のように同意日からの期間で単位数が変わるものや、「週2日まで」「月2回まで」「6月に1回まで」と回数に限度があるものが多く、算定の単位も「1日につき」「1回につき」「1月につき」と加算ごとに違います。単位数だけでなく、算定の単位と回数の限度をあわせて見ておくと、請求の誤りや算定漏れに気づきやすくなります。

この記事では、厚生労働省「介護報酬の算定構造のイメージ(R8.6.1)」をもとに、2026年9月時点の通所リハビリテーション(介護給付)の主な加算と減算を4つの系統に分けて示し、請求前の確認手順を扱います。全加算の網羅ではありません。介護予防通所リハビリテーションは算定構造が別のため対象外です。各加算の算定要件は、告示と留意事項通知で確かめてください。

基本報酬と加算・減算の関係

通所リハビリテーション費の基本報酬は、事業所の規模(通常規模・大規模)、利用時間(1時間以上2時間未満から7時間以上8時間未満までの7区分)、要介護度の組み合わせで決まります。この記事で挙げる加算と減算は、この基本報酬に足し引きする単位数です。

介護職員等処遇改善加算だけは単位数が決まっておらず、基本報酬とほかの加算・減算を合計した単位数に加算率を掛けて算定します。また、同一建物から利用する場合の減算、サービス提供体制強化加算、介護職員等処遇改善加算などは、区分支給限度基準額の管理の対象外です。ケアマネジャーと限度額を調整するときは、これらを除いた単位数で計算しているかを確かめておくと、食い違いを防げます。

(参考:厚生労働省「介護報酬の算定構造のイメージ(R8.6.1)」)

リハビリテーションの加算(マネジメント・短期集中・生活行為向上)

リハビリテーションの計画・会議や、集中的な個別リハビリテーションを評価する加算です。

加算

単位数

算定の単位

リハビリテーションマネジメント加算(イ)

6月以内560単位・6月超240単位

1月につき

リハビリテーションマネジメント加算(ロ)

6月以内593単位・6月超273単位

1月につき

リハビリテーションマネジメント加算(ハ)

6月以内793単位・6月超473単位

1月につき

医師が説明し同意を得た場合

270単位

1月につき

短期集中個別リハビリテーション実施加算

110単位

1日につき

認知症短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅰ)

240単位

1日につき(週2日まで)

認知症短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅱ)

1,920単位

1月につき

生活行為向上リハビリテーション実施加算

1,250単位

1月につき

退院時共同指導加算

600単位

1回につき

移行支援加算

12単位

1日につき

リハビリテーションマネジメント加算の「6月以内」「6月超」は、利用者の同意日の属する月から数えます。事業所の医師が利用者またはその家族に説明し、利用者の同意を得た場合の270単位は、(イ)〜(ハ)の単位数に上乗せするものです。生活行為向上リハビリテーション実施加算は、利用開始日の属する月から6月以内に限って算定します。

リハビリテーションマネジメント加算(ハ)は、2024年度の改定で新設された区分です。(ロ)の要件に加えて、管理栄養士を1名以上配置すること(外部との連携による配置も可)、多職種が共同して栄養アセスメントと口腔の健康状態の評価を行うこと、関係職種が計画・口腔・栄養の情報を相互に共有し、必要に応じて計画を見直すことが要件です。栄養と口腔の加算を算定している事業所は、(ハ)の要件を満たせるかをあわせて確かめるとよいでしょう。

(参考:厚生労働省「介護報酬の算定構造のイメージ(R8.6.1)」「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」)

利用者の状態に応じた加算(入浴・認知症・重度)

入浴の介助や、若年性認知症・重度の利用者の受入れを評価する加算は、いずれも1日につき算定します。

加算

単位数

算定の単位

入浴介助加算(Ⅰ)

40単位

1日につき

入浴介助加算(Ⅱ)

60単位

1日につき

若年性認知症利用者受入加算

60単位

1日につき

中重度者ケア体制加算

20単位

1日につき

重度療養管理加算

100単位

1日につき

入浴介助加算(Ⅱ)は、(Ⅰ)の要件に加えて、医師・理学療法士・作業療法士・介護支援専門員などが利用者の居宅を訪問して浴室での動作と環境を評価し、事業所の理学療法士等が個別の入浴計画を作成して、その計画に基づいて入浴介助を行うことが要件です。2024年度の改定で、医師等の訪問が難しい場合は、医師等の指示のもと介護職員が訪問し、情報通信機器等で把握した状況をもとに医師等が評価・助言する方法も認められました。入浴介助加算は入浴介助を行った日だけ算定するため、サービス提供記録と日ごとに突き合わせます。

(参考:厚生労働省「介護報酬の算定構造のイメージ(R8.6.1)」「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」)

栄養と口腔の加算

栄養と口腔の加算には、1回ごとに算定して回数に限度があるものと、1月につき算定するものがあります。

加算

単位数

算定の単位

栄養アセスメント加算

50単位

1月につき

栄養改善加算

200単位

1回につき(月2回まで)

口腔・栄養スクリーニング加算(Ⅰ)

20単位

1回につき(6月に1回まで)

口腔・栄養スクリーニング加算(Ⅱ)

5単位

1回につき(6月に1回まで)

口腔機能向上加算(Ⅰ)

150単位

1回につき(月2回まで)

口腔機能向上加算(Ⅱ)イ

155単位

1回につき(月2回まで)

口腔機能向上加算(Ⅱ)ロ

160単位

1回につき(月2回まで)

回数に限度がある加算は、その月やその期間にすでに算定した回数を数えてから請求します。

(参考:厚生労働省「介護報酬の算定構造のイメージ(R8.6.1)」)

事業所の体制の加算

職員の配置や、利用時間に応じたリハビリテーションの提供体制を評価する加算です。

加算

単位数

算定の単位

理学療法士等体制強化加算

30単位

1日につき

サービス提供体制強化加算(Ⅰ)

22単位

1回につき

サービス提供体制強化加算(Ⅱ)

18単位

1回につき

サービス提供体制強化加算(Ⅲ)

6単位

1回につき

科学的介護推進体制加算

40単位

1月につき

理学療法士等体制強化加算は、利用時間が1時間以上2時間未満の区分にだけ設けられています。区分ごとの職員割合の計算方法は「サービス提供体制強化加算の算定要件|区分別の職員割合と計算方法・届出後の管理」で解説しています。

リハビリテーション提供体制加算は、利用時間3時間以上の区分で、利用時間に応じて次の単位数を加算します。

利用時間

リハビリテーション提供体制加算

3時間以上4時間未満

12単位

4時間以上5時間未満

16単位

5時間以上6時間未満

20単位

6時間以上7時間未満

24単位

7時間以上

28単位

なお、7時間以上8時間未満の通所リハビリテーションの前後に日常生活上の世話を行った場合は、8時間以上9時間未満で50単位、以降1時間ごとに50単位ずつ増え、13時間以上14時間未満で300単位を加算します。

(参考:厚生労働省「介護報酬の算定構造のイメージ(R8.6.1)」)

LIFEへの提出が必要な加算

この記事で挙げた加算のうち、科学的介護推進体制加算、リハビリテーションマネジメント加算(ロ)(ハ)、栄養アセスメント加算、口腔機能向上加算(Ⅱ)イ・ロは、LIFEへの様式情報の提出が必要な加算です。2024年度の改定で、科学的介護推進体制加算のデータ提出の頻度は少なくとも3月に1回に見直され、同じ利用者にリハビリテーションマネジメント加算も算定する場合は、評価と提出の時期をそろえられるようになりました。

LIFEは2026年5月11日から公益社団法人国民健康保険中央会(国保中央会)の運用に移っています。これらの加算を算定している事業所は、国保中央会が運用するLIFEに提出できる状態になっているかを確かめてください。移管後の準備は「科学的介護推進体制加算の算定要件|対象サービス・単位数とLIFE提出の期限・準備」、加算ごとの提出月は「LIFEへの提出が必要な加算の一覧|加算ごとの提出頻度と提出月のそろえ方」で解説しています。

(参考:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」、介護保険最新情報Vol.1495)

介護職員等処遇改善加算の加算率

介護職員等処遇改善加算は、1月につき、所定単位数に次の加算率を掛けて算定します。

区分

通所リハビリテーションの加算率

加算(Ⅰ)イ

10.3%

加算(Ⅰ)ロ

11.1%

加算(Ⅱ)イ

10.0%

加算(Ⅱ)ロ

10.8%

加算(Ⅲ)

8.3%

加算(Ⅳ)

7.0%

2026年6月の期中改定で、処遇改善加算の対象は介護職員から介護従事者に広がって加算率が引き上げられ、生産性向上や協働化に取り組む事業所向けに加算(Ⅰ)ロ・(Ⅱ)ロが新設されました。ロの区分を算定するには2026年度の特例要件を満たす必要があり、通所リハビリテーションなどの訪問・通所サービスでは、ケアプランデータ連携システムに加入して実績を報告すること(加算の申請時点では加入の誓約でも可)か、社会福祉連携推進法人に所属していることのいずれかです。区分の選び方と実績報告の期限は「介護職員等処遇改善加算の区分と要件|2026年6月以降の加算率と区分変更・実績報告の期限」、ケアプランデータ連携システムの概要は「ケアプランデータ連携システムとは?導入で軽減できる業務負担」で解説しています。

(参考:厚生労働省「令和8年度介護報酬改定の概要」「介護職員等処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年度分)」)

定員超過・人員欠如・送迎などの減算

通所リハビリテーションの主な減算は次のとおりです。

減算

減算の幅

定員超過・人員基準欠如

所定単位数の70%で算定

高齢者虐待防止措置未実施減算

所定単位数の1%

業務継続計画未策定減算

所定単位数の1%

同一建物に居住・同一建物から利用

1日につき94単位

事業所が送迎を行わない場合

片道につき47単位

人員基準欠如の対象となる職種は、医師、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士、看護・介護職員です。同一建物の減算は、事業所と同一建物に居住する者、または同一建物から通所リハビリテーションを利用する者が対象です。送迎と同一建物の減算は利用者ごと・日ごとに決まるため、送迎記録や住所と照合します。一方、定員超過・人員欠如と2つの未実施減算は、事業所の体制や運営の状況で決まります。人員欠如減算の扱いは「介護の減算とは|主な減算の種類と割合・人員欠如減算の猶予・月次の確認手順」で解説しています。

(参考:厚生労働省「介護報酬の算定構造のイメージ(R8.6.1)」)

請求前の確認手順

毎月の請求前に、次の順で確かめます。

  1. 算定中の加算と減算を、「1日」「1回」「1月」の算定の単位別に書き出し、体制の届出の内容と請求ソフトの設定がずれていないかを見ます。前年度の設定をそのまま使い、2026年6月の処遇改善加算の区分を見直し忘れる例に注意してください。
  2. リハビリテーションマネジメント加算は、利用者ごとに同意日を一覧にし、「6月以内」から「6月超」に切り替わる月を確かめます。同意日の翌月から数え始めると、切り替えが1か月ずれます。
  3. 回数に限度がある加算(認知症短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅰ)は週2日、栄養改善加算・口腔機能向上加算は月2回、口腔・栄養スクリーニング加算は6月に1回)の算定回数を数えます。前の月までに算定した回数を見落とさないよう、利用者ごとに算定月を記録しておきます。
  4. 1日につき算定する加算を、サービス提供記録と日ごとに突き合わせます。入浴しなかった日に入浴介助加算を付けたままにしないよう、実施の記録がある日だけを数えます。
  5. 1月につき算定する加算は、根拠となる計画・会議・評価の記録が対象月の分そろっているかを確かめます。LIFEへの提出が必要な加算は、期限までに国保中央会が運用するLIFEへ提出できているかも見ます。
  6. 送迎減算と同一建物減算を、利用者ごとの送迎記録と住所に照らして確かめます。家族が送迎した日の減算は付け忘れやすいため、送迎表と突き合わせます。

まとめ

通所リハビリテーションの加算は、リハビリテーション・利用者の状態・栄養と口腔・事業所の体制の4系統に分けたうえで、算定の単位と回数の限度、リハビリテーションマネジメント加算の同意日からの期間をあわせて見ると整理できます。

出発点は、自事業所が算定している加算と減算を算定の単位別に書き出し、請求ソフトの設定と体制の届出の内容が一致しているかを確かめることです。計画・会議・評価の記録をそろえることは、利用者がリハビリテーションで目指す生活の目標に向けて、計画どおりの支援が届いているかを確かめることにもなります。

次に、取得を検討している加算があれば、告示と留意事項通知で算定要件を確かめ、体制の届出の時期を指定権者に確認してください。なお、2027年度の介護報酬改定で単位数や要件が見直された場合は、新しい算定構造で確かめ直してください。

参考