訪問入浴介護の加算は、初回加算、認知症専門ケア加算、看取り連携体制加算、サービス提供体制強化加算、地域の3つの加算、介護職員等処遇改善加算に限られ、時間帯や所要時間による区分はありません。一方で、基本の単位数そのものが、訪問した職員の構成と、全身入浴か清拭・部分浴かによって変わります。そのため、加算の届出や要件に加えて、訪問ごとの記録と請求の内容が合っているかを確かめることが、正しい請求の前提になります。看取り連携体制加算や認知症専門ケア加算の体制を整えて算定することは、看取り期の利用者や認知症の利用者が自宅での入浴を続けられる体制を保つことにもつながります。
この記事では、厚生労働省「介護報酬の算定構造のイメージ(R8.6.1)」と単位数表の告示をもとに、訪問入浴介護費の加算と減算をすべて載せています。あわせて、基本の単位数、介護職員等処遇改善加算の2026年6月の見直し、介護予防訪問入浴介護で扱いが違う点、算定中の加算の点検手順を扱います。各加算の算定要件の細部は、告示と留意事項通知で確かめてください。なお、こちらの単位数は2026年6月改定後のものです。
一覧を 読む前に 押さえる 3つの 点
1つ目は算定の単位です。訪問入浴介護費、サービス提供体制強化加算、地域の加算は1回につき、認知症専門ケア加算は1日につき、初回加算は1月につき算定します。看取り連携体制加算は、死亡日と死亡日以前30日以下の期間に限り、1回につき算定します。割合で決まる加算と減算は基本の単位数(所定単位数)に掛けて計算し、介護職員等処遇改善加算だけは、ほかの加算・減算を反映した1月の合計に加算率を掛けます。
2つ目は体制届です。一覧の「体制届」の列が「必要」の加算は、指定権者に「介護給付費算定に係る体制等状況一覧表」を提出していなければ算定できません。訪問入浴介護の一覧表には、認知症専門ケア加算、看取り連携体制加算、サービス提供体制強化加算、介護職員等処遇改善加算、特別地域加算、中山間地域等における小規模事業所加算の項目と、高齢者虐待防止措置・業務継続計画の有無(減算型か基準型か)の項目があります。単位数が増える加算は、届出が毎月15日以前なら翌月から、16日以降なら翌々月から算定を始めます。届出の流れは「介護加算の届出(体制届)の流れ」、算定開始月の考え方は「介護加算はいつから算定できるか」で解説しています。
3つ目は区分支給限度基準額との関係です。特別地域訪問入浴介護加算、中山間地域等の2つの加算、サービス提供体制強化加算、介護職員等処遇改善加算は、限度額管理の対象外です。同一建物の利用者への減算を受ける場合は、限度額の計算に減算前の単位数を算入します。ケアマネジャーと給付管理の単位数を突き合わせるときは、この扱いを前提にしてください。
(参考:厚生労働省「介護報酬の算定構造のイメージ(R8.6.1)」、「介護給付費算定に係る体制等に関する届出等における留意点について」の別紙様式(別紙1-1)、平成12年老企第36号 第1の1(6))
加算を算定の単位・届出の要否・限度額管理の3つの軸で見る方法は、「介護報酬の加算一覧の見方」で解説しています。
職員の 構成と 入浴の 内容で 変わる 基本の 単位数
訪問入浴介護費は1回につき1,266単位で、看護職員(看護師または准看護師)1人と介護職員2人が訪問入浴介護を行った場合に算定します。次の表の2つ目と3つ目の場合は、所定単位数に割合を掛けた単位数になります。
場合 | 算定のしかた | 主な条件 |
|---|---|---|
看護職員1人と介護職員2人が行った場合 | 1回につき1,266単位 | 基本の算定 |
介護職員3人が行った場合 | 所定単位数の95%で算定 | 入浴で身体の状況等に支障が生じるおそれがないと認められ、主治の医師の意見を確認している |
清拭または部分浴を実施した場合 | 所定単位数の90%で算定 | 訪問時の心身の状況等から全身入浴が困難で、利用者の希望により実施した |
人員の数え方では、看護職員を介護職員として数えることができ、訪問する3人のうち2人が看護職員でも差し支えありません。ただし、主治の医師の意見を確認したうえで介護職員3人で行うこととした訪問は、当日の3人のなかに看護職員が含まれていても95%の算定のままです。部分浴は、洗髪や陰部・足部などの洗浄を指します。利用者の心身の状況から入浴を見合わせた場合は算定できず、利用者の希望で清拭や部分浴を行ったときに90%で算定します。
なお、利用者が短期入所生活介護、短期入所療養介護、特定施設入居者生活介護、小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護などを受けている間は、訪問入浴介護費を算定しません。
訪問した職員の職種、主治の医師の意見を確認した経過、全身入浴・清拭・部分浴の別が訪問ごとの記録で確かめられるようにしておくと、請求の内容と照合できます。
(参考:厚生労働省「介護報酬の算定構造のイメージ(R8.6.1)」、「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(平成12年厚生省告示第19号)、老企第36号 第2の3(1)(4)(5))
利用 開始・ 認知症 ケア・ 看取りの 加算
加算 | 単位数 | 主な条件 | 体制届 |
|---|---|---|---|
初回加算 | 1月につき200単位 | 新規利用者の居宅を訪問して利用の調整を行い、初回の訪問入浴介護を実施 | 不要 |
認知症専門ケア加算(Ⅰ) | 1日につき3単位 | 日常生活自立度Ⅱ以上の認知症の利用者に専門的な認知症ケアを実施 | 必要 |
認知症専門ケア加算(Ⅱ) | 1日につき4単位 | 日常生活自立度Ⅲ以上の認知症の利用者に専門的な認知症ケアを実施 | 必要 |
看取り連携体制加算 | 1回につき64単位(死亡日と死亡日以前30日以下に限る) | 医師が回復の見込みがないと診断した利用者に看取り期のサービスを提供 | 必要 |
初回加算は、初回の訪問入浴介護を行う前に、事業所の職員が利用者の居宅を訪問し、浴槽の設置場所や給排水の方法の確認などを行った場合に、初回の訪問入浴介護を行った日の属する月に算定します。
認知症専門ケア加算は、(Ⅰ)と(Ⅱ)のどちらか一方だけを算定します。(Ⅰ)の基準は、利用者の総数のうち認知症高齢者の日常生活自立度がⅡ以上の人が2分の1以上であること、認知症介護実践リーダー研修などの専門的な研修の修了者を配置し(対象者が20人未満なら1人以上)、チームで専門的な認知症ケアを行っていること、認知症ケアに関する会議を定期的に開いていることの3つです。(Ⅱ)は、このうち研修修了者の配置と会議の開催に加えて、自立度Ⅲ以上の人の割合が100分の20以上であること、認知症介護指導者研修などの修了者を1人以上配置して事業所全体の認知症ケアを指導していること、介護職員・看護職員ごとの認知症ケアの研修計画を作って研修を実施(または予定)していることが必要です。利用者の割合は、算定日が属する月の前3月間のいずれかの月の実人員数または延人員数で計算して毎月記録し、直近3月間のいずれの月も所定の割合を下回った場合は、すぐに届出を出します。
看取り連携体制加算の事業所の基準は、病院・診療所・訪問看護ステーションと連携して利用者の状態に応じた連絡体制を確保し、必要に応じて訪問看護などが提供されるよう訪問入浴介護の日時を調整していること、看取り期における対応方針を定めて利用開始の際に利用者や家族に説明し同意を得ていること、看取りに関する職員研修を行っていることの3つです。対象は、医師が回復の見込みがないと診断し、対応方針に基づく説明を受けて同意したうえでサービスを受けている利用者(家族等が説明を受けて同意した場合を含む)です。この加算は死亡月にまとめて算定し、入院先で亡くなった場合も算定できますが、入院した日の翌日から死亡日までの期間は算定できません。入院した月の翌月に亡くなると、利用を終えた翌月に利用者負担を請求することになるため、入院の際にその可能性を説明し、文書で同意を得ておく必要があります。
この3つは利用者ごとに算定の可否が決まる加算なので、居宅を事前に訪問した日、日常生活自立度を確かめた経過、医師の診断と利用者・家族の同意の記録を、利用者ごとに請求内容と照合してください。
(参考:厚生労働省「介護報酬の算定構造のイメージ(R8.6.1)」、「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準」、「厚生労働大臣が定める基準」(平成27年厚生労働省告示第95号)第3号の4、「厚生労働大臣が定める施設基準」(平成27年厚生労働省告示第96号)第2号の2、「厚生労働大臣が定める基準に適合する利用者等」(平成27年厚生労働省告示第94号)第3号の3・第3号の4、老企第36号 第2の3(9)〜(11))
職員 体制を 評価する サービス 提供 体制 強化 加算
区分 | 単位数 | 職員の割合の基準(いずれかを満たす) | 体制届 |
|---|---|---|---|
サービス提供体制強化加算(Ⅰ) | 1回につき44単位 | 介護職員のうち介護福祉士が60%以上、または勤続10年以上の介護福祉士が25%以上 | 必要 |
サービス提供体制強化加算(Ⅱ) | 1回につき36単位 | 介護職員のうち介護福祉士が40%以上、または介護福祉士・実務者研修修了者・介護職員基礎研修課程修了者の合計が60%以上 | 必要 |
サービス提供体制強化加算(Ⅲ) | 1回につき12単位 | 介護職員のうち介護福祉士が30%以上、または介護福祉士・実務者研修修了者・介護職員基礎研修課程修了者の合計が50%以上、または従業者のうち勤続7年以上の者が30%以上 | 必要 |
3つの区分はどれか1つだけを算定します。どの区分にも共通する基準は、すべての従業者について従業者ごとの研修計画を作って研修を実施(または予定)していること、利用者の情報や留意事項の伝達、技術指導のための会議を定期的に開いていること、すべての従業者に健康診断等を定期的に実施していることの3つです。会議は、サービス提供に当たる従業者の全員が参加し、おおむね1月に1回以上開いて概要を記録します。健康診断等は、少なくとも1年以内ごとに1回、事業主の費用負担で実施します。
職員の割合は、常勤換算方法で算出した前年度(3月を除く)の平均で判定します。前年度の実績が6月に満たない事業所は届出月の前3月の平均を使い、届出後も直近3月間の割合を毎月記録して、所定の割合を保つ必要があります。介護予防訪問入浴介護を同じ事業所で一体的に行っている場合は、割合の計算も一体的に行います。届出のあとも、年度ごとに職員の割合を計算し直し、区分の基準を下回っていないかを確かめてください。区分ごとの職員割合の計算方法は「サービス提供体制強化加算の算定要件」で解説しています。
(参考:厚生労働省「介護報酬の算定構造のイメージ(R8.6.1)」、「厚生労働大臣が定める基準」第5号、老企第36号 第2の3(12))
事業所や 利用者の 所在地で 決まる 地域の 加算
加算 | 単位数 | 主な条件 | 体制届 |
|---|---|---|---|
特別地域訪問入浴介護加算 | 1回につき所定単位数の15% | 大臣が定める地域にある事業所の従業者が訪問入浴介護を実施 | 必要 |
中山間地域等における小規模事業所加算 | 1回につき所定単位数の10% | 大臣が定める地域にあり、1月当たりの延べ訪問回数が20回以下の事業所が実施 | 必要 |
中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算 | 1回につき所定単位数の5% | 大臣が定める地域に住む利用者に、通常の事業の実施地域を越えて実施 | 不要 |
中山間地域等における小規模事業所加算の延べ訪問回数は、前年度(3月を除く)の1月当たりの平均で判定します。毎月記録し、所定の回数を上回った場合はすぐに届出を出します。体制届では「地域に関する状況」と「規模に関する状況」の両方を届け出て、算定する場合は利用者に事前に説明して同意を得ます。中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算を算定する利用者からは、通常の事業の実施地域を越えるための交通費の支払いを受けることができません。事業所の所在地や利用者の住所が対象の地域に当たるかは、指定権者に確かめてください。
(参考:厚生労働省「介護報酬の算定構造のイメージ(R8.6.1)」、「厚生労働大臣が定める施設基準」第2号、老企第36号 第2の3(7)(8)、「介護給付費算定に係る体制等に関する届出等における留意点について」の別紙様式(別紙1-1))
介護 職員等 処遇 改善 加算の 区分と 2026年 6月の 見直し
介護職員等処遇改善加算は、基本の単位数にほかの加算・減算を反映した1月の単位数(算定構造のイからホまでの合計)に、区分ごとの加算率を掛けて算定します。算定には体制届と処遇改善計画書の提出が必要です。訪問入浴介護の加算率は次のとおりです。
区分 | 訪問入浴介護の加算率 |
|---|---|
介護職員等処遇改善加算(Ⅰ)イ | 12.2% |
介護職員等処遇改善加算(Ⅰ)ロ | 13.3% |
介護職員等処遇改善加算(Ⅱ)イ | 11.6% |
介護職員等処遇改善加算(Ⅱ)ロ | 12.7% |
介護職員等処遇改善加算(Ⅲ) | 10.1% |
介護職員等処遇改善加算(Ⅳ) | 8.5% |
2026年6月の期中改定で、処遇改善加算の対象は介護職員から介護従事者に広がって加算率が引き上げられ、生産性向上や協働化に取り組む事業所向けに加算(Ⅰ)ロ・(Ⅱ)ロが新設されました。ロの区分は、イの区分の要件に加えて、ケアプランデータ連携システムを利用していること、または法人が社会福祉連携推進法人に所属していることが要件です。ケアプランデータ連携システムは、申請の時点で利用していなくても、加入して利用することを誓約すれば要件を満たすものとして扱われます。誓約した場合は、2027年3月末までに利用を始め、実績報告書で利用実績を報告します。
訪問入浴介護では、加算(Ⅰ)のイ・ロの要件の1つが、サービス提供体制強化加算の(Ⅰ)または(Ⅱ)を届け出ていることです。サービス提供体制強化加算の区分を(Ⅲ)に変える場合や取り下げる場合は、処遇改善加算の区分にも影響するので、2つの届出をあわせて見直してください。区分の選び方と実績報告の期限は「介護職員等処遇改善加算の区分と要件」、システムの概要は「ケアプランデータ連携システムとは?」で解説しています。
(参考:厚生労働省「介護報酬の算定構造のイメージ(R8.6.1)」、「令和8年度介護報酬改定について」、「厚生労働大臣が定める基準」第4号・第6号、「介護職員等処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年度分)」(令和8年3月13日老発0313第6号))
同一 建物と 運営 基準に関する 減算
減算 | 減算の内容 | 主な条件 |
|---|---|---|
同一建物の利用者への提供 | 1回につき所定単位数の90%で算定 | 同一敷地内建物等に住む利用者(次の行の場合を除く)、または事業所の利用者が1月当たり20人以上住むそれ以外の建物の利用者に実施 |
同一建物の利用者への提供(50人以上) | 1回につき所定単位数の85%で算定 | 事業所の利用者が1月当たり50人以上住む同一敷地内建物等の利用者に実施 |
高齢者虐待防止措置未実施減算 | 所定単位数の1%を減算 | 虐待防止の措置を講じていない |
業務継続計画未策定減算 | 所定単位数の1%を減算 | 業務継続計画の基準を満たしていない |
同一敷地内建物等とは、事業所と同じ敷地内や隣接する敷地内の建物、または事業所と同じ建物を指し、建物の管理・運営法人が事業者と違っていても対象になります。利用者数は、暦月の1日ごとの利用者の合計をその月の日数で割った平均(小数点以下切り捨て)で数えます。訪問介護にある、同一敷地内建物等の利用者の割合が高い事業所向けの区分は、訪問入浴介護の算定構造にはありません。入居者の増減で区分が変わるため、利用者の住所と建物ごとの人数は毎月確かめます。
高齢者虐待防止措置未実施減算は、委員会の定期的な開催、指針の整備、年1回以上の研修、担当者の配置のいずれかが欠けた場合に、事実が生じた月の翌月から改善が認められた月まで、利用者全員に適用されます。業務継続計画未策定減算は、基準を満たさない事実が生じた月の翌月(月の初日に生じた場合はその月)から解消された月まで、利用者全員に適用されます。この2つは体制届で「減算型」か「基準型」かを届け出る項目でもあるので、議事録・研修記録・計画書で実施と策定を確かめ、届出の内容と合っているかも見ておきます。減算の全体像は「介護の減算とは」で解説しています。
(参考:厚生労働省「介護報酬の算定構造のイメージ(R8.6.1)」、「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準」、老企第36号 第2の2(10)(11)(16)・第2の3(2)(3)(6))
介護 予防 訪問 入浴 介護で 扱いが 違う点
要支援の利用者に行う介護予防訪問入浴介護では、次の4点が訪問入浴介護と違います。表にない加算と減算(清拭・部分浴の場合の算定、初回加算、認知症専門ケア加算、サービス提供体制強化加算、地域の加算、同一建物と運営基準の減算、介護職員等処遇改善加算)は、単位数や割合が訪問入浴介護と同じです。
項目 | 訪問入浴介護(要介護) | 介護予防訪問入浴介護(要支援) |
|---|---|---|
基本の単位数 | 1回につき1,266単位(看護職員1人と介護職員2人) | 1回につき856単位(看護職員1人と介護職員1人) |
介護職員だけで行った場合 | 介護職員3人で所定単位数の95% | 介護職員2人で所定単位数の95% |
看取り連携体制加算 | 1回につき64単位 | 加算なし |
中山間地域等における小規模事業所加算の規模の基準 | 1月当たりの延べ訪問回数が20回以下 | 1月当たりの延べ訪問回数が5回以下 |
同じ事業所で要介護と要支援の利用者を受け持っている場合は、要介護度が変わった利用者の請求に、前の区分の基本の単位数や看取り連携体制加算が残っていないかに気をつけます。
(参考:厚生労働省「介護報酬の算定構造のイメージ(R8.6.1)」、「指定介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(平成18年厚生労働省告示第127号)、「厚生労働大臣が定める施設基準」第69号)
算定中の 加算の 点検 手順
- 直近の請求明細から、算定中の加算と減算を「1回につき」「1日につき」「1月につき」に分けて書き出す。看取り連携体制加算は死亡月にまとめて算定するので、通常の月の明細だけを見て未算定と判断しないようにします。
- 一覧の「体制届」が「必要」の加算を、体制届の控えと照合する。サービス提供体制強化加算の区分を変えたのに、処遇改善加算の区分を前のままにしている食い違いに気をつけます。
- 訪問ごとの記録と基本の単位数の割合を照合する。当日に清拭や部分浴へ切り替えた回を100%のまま請求していないか、入浴を見合わせた回を請求していないかを確かめます。
- 利用者ごとに決まる加算(初回加算、認知症専門ケア加算、看取り連携体制加算)を記録と照合する。看取り連携体制加算は、死亡日からさかのぼる期間を数え違えて、対象外の回に付けないようにします。
- 認知症の利用者の割合、職員の割合、延べ訪問回数など、体制の加算の根拠になる数値を計算し直す。届出のときの数値のままにして、毎月の記録を付けていない例に注意してください。
- 同一建物の減算と地域の加算を、利用者の住所と建物ごとの人数に照らして確かめる。月の途中の転居や新しい入居者を反映し忘れやすいので、前月の区分をそのまま使わないようにします。
まとめ
訪問入浴介護の加算は、利用者ごとの加算、職員体制の加算、地域の加算、処遇改善加算に分け、算定の単位と体制届の要否を加算ごとに押さえると整理できます。出発点は、自事業所の請求明細と体制届の控えを並べ、算定中の加算と未算定の加算を分けることです。そのうえで、未算定の加算は告示と留意事項通知で要件を確かめて届出の時期を指定権者に確認し、算定中の加算は訪問ごとの記録と体制の数値で根拠を確かめてください。訪問介護や訪問看護など、ほかのサービスの加算は「介護の加算一覧」から確かめられます。
参考
- 厚生労働省「介護報酬の算定構造のイメージ(R8.6.1)」
- 厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(平成12年厚生省告示第19号)
- 厚生労働省「指定介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(平成18年厚生労働省告示第127号、全老健 法令・Q&A検索システム)
- 厚生労働省「厚生労働大臣が定める基準」(平成27年厚生労働省告示第95号、全老健 法令・Q&A検索システム)
- 厚生労働省「厚生労働大臣が定める施設基準」(平成27年厚生労働省告示第96号、全老健 法令・Q&A検索システム)
- 厚生労働省「厚生労働大臣が定める基準に適合する利用者等」(平成27年厚生労働省告示第94号、全老健 法令・Q&A検索システム)
- 厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(訪問通所サービス、居宅療養管理指導及び福祉用具貸与に係る部分)及び指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」(平成12年老企第36号、全老健 法令・Q&A検索システム)
- 厚生労働省「令和8年度介護報酬改定について」
- 厚生労働省「介護職員等処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年度分)」(令和8年3月13日老発0313第6号)
- 厚生労働省「介護給付費算定に係る体制等に関する届出等における留意点について」(令和6年3月15日老発0315第1号、令和8年3月13日一部改正)と別紙様式

