ショートステイの加算は、短期入所生活介護と短期入所療養介護で別々の算定構造に定められています。短期入所生活介護は看護体制・医療連携・緊急の受入れ・送迎を評価する加算が中心で、介護老人保健施設などが行う短期入所療養介護は、医学的な管理・リハビリテーション・認知症ケアを評価する加算が目立ちます。同じ名前の加算でも、単位数や要件はサービスごとに確かめる必要があります。

算定できる加算を一覧で押さえておくと、届出済みの加算と取りこぼしている加算を見分けやすくなり、急な受入れや医療的な管理が必要な利用者を引き受ける体制を整える手がかりにもなります。この記事では、厚生労働省「介護報酬の算定構造のイメージ(R8.6.1)」で確認できる主な加算・減算をサービス別に示し、連続利用日数による単位数の変化と、算定状況の点検手順を扱います。すべての加算を網羅したものではなく、介護予防短期入所生活介護・介護予防短期入所療養介護は別の算定構造です。

短期入所生活介護の主な加算

短期入所生活介護費は、単独型・併設型、居室の種類(従来型個室・多床室・ユニット型個室など)、要介護度で基本の単位数が決まり、そこに次の加算を上乗せします。

加算の名称

単位数

算定の上限や条件

生活機能向上連携加算

(Ⅰ)1月100単位・(Ⅱ)1月200単位

(Ⅰ)は3月に1回まで

機能訓練指導員の専従配置

1日12単位

常勤専従で1名以上

個別機能訓練加算

1日56単位

機能訓練を行った利用者

看護体制加算

(Ⅰ)4単位〜(Ⅳ)イ23単位

区分と利用定員で異なる

医療連携強化加算

1日58単位

在宅中重度者受入加算と併算不可

看取り連携体制加算

1日64単位

死亡日以前30日以下で7日まで

夜勤職員配置加算

(Ⅰ)13単位〜(Ⅳ)20単位

区分により異なる

認知症行動・心理症状緊急対応加算

1日200単位

利用開始から7日まで

若年性認知症利用者受入加算

1日120単位

認知症の緊急対応加算と併算不可

送迎を行う場合

片道184単位

送迎が必要と認められる利用者

緊急短期入所受入加算

1日90単位

7日まで(やむを得ない場合14日)

在宅中重度者受入加算

1日413〜425単位

看護体制加算の算定状況で異なる

口腔連携強化加算

1回50単位

1月に1回まで

療養食加算

1回8単位

1日3回まで

認知症専門ケア加算

(Ⅰ)1日3単位・(Ⅱ)1日4単位

区分により要件が異なる

生産性向上推進体制加算

(Ⅰ)1月100単位・(Ⅱ)1月10単位

区分により要件が異なる

サービス提供体制強化加算

(Ⅰ)22単位〜(Ⅲ)6単位

1日につき

看護体制加算は、(Ⅰ)4単位、(Ⅱ)8単位、(Ⅲ)イ12単位・ロ6単位、(Ⅳ)イ23単位・ロ13単位で、(Ⅲ)(Ⅳ)は利用定員29人以下がイ、30人以上50人以下がロです。夜勤職員配置加算は(Ⅰ)13単位、(Ⅱ)18単位、(Ⅲ)15単位、(Ⅳ)20単位です。在宅中重度者受入加算は、利用者が利用していた訪問看護事業所に健康上の管理等を行わせた場合の加算で、看護体制加算を算定していない場合が425単位と最も高く、算定している区分に応じて421単位・417単位・413単位になります。

表の加算には、同時に算定できない組み合わせがあります。看護体制加算(Ⅰ)と(Ⅲ)、(Ⅱ)と(Ⅳ)は併せて算定できず、認知症行動・心理症状緊急対応加算を算定している場合は、若年性認知症利用者受入加算と緊急短期入所受入加算を算定できません。緊急短期入所受入加算は、居宅サービス計画で予定されていなかった利用を緊急に受け入れた場合が対象です。また、看取り連携体制加算を算定するには、看護体制加算(Ⅱ)または(Ⅳ)の算定か、(Ⅰ)または(Ⅲ)の算定に加えて看護職員と24時間連絡できる体制の確保が必要で、看取り期の対応方針を定めて利用開始の際に利用者または家族等に説明し、同意を得ておくことも要件です。看取り連携体制加算は2024年度改定で新設されました。

なお、生活相談員配置等加算(1日13単位)は、障害福祉サービスの指定短期入所事業所が行う共生型短期入所生活介護を対象とする加算で、通常の短期入所生活介護事業所では算定しません。サービス提供体制強化加算の職員割合の計算は「サービス提供体制強化加算の算定要件|区分別の職員割合と計算方法・届出後の管理」で解説しています。

(参考:厚生労働省「介護報酬の算定構造のイメージ(R8.6.1)」、厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(平成12年厚生省告示第19号)、厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」)

短期入所療養介護の主な加算

短期入所療養介護の算定構造は、介護老人保健施設、療養病床を有する病院、診療所、介護医療院の別に分かれています。介護老人保健施設が行う短期入所療養介護で確認できた主な加算は次のとおりです。

加算の名称

単位数

算定の上限や条件

夜勤職員配置加算

1日24単位

夜勤職員の配置基準による

個別リハビリテーション実施加算

1日240単位

個別のリハビリを行った日

認知症ケア加算

1日76単位

認知症の利用者を対象

認知症行動・心理症状緊急対応加算

1日200単位

7日まで

緊急短期入所受入加算

1日90単位

7日まで(やむを得ない場合14日)

若年性認知症利用者受入加算

1日120単位

若年性認知症の利用者

重度療養管理加算

1日120単位

特定介護老人保健施設は60単位

在宅復帰・在宅療養支援機能加算

(Ⅰ)(Ⅱ)とも1日51単位

基本報酬の区分で異なる

送迎を行う場合

片道184単位

送迎が必要と認められる利用者

総合医学管理加算

1日275単位

利用中に10日まで

療養体制維持特別加算

(Ⅰ)1日27単位・(Ⅱ)1日57単位

療養型老健の場合

口腔連携強化加算

1回50単位

1月に1回まで

療養食加算

1回8単位

1日3回まで

認知症専門ケア加算((Ⅰ)1日3単位・(Ⅱ)1日4単位)、生産性向上推進体制加算((Ⅰ)1月100単位・(Ⅱ)1月10単位)、サービス提供体制強化加算((Ⅰ)1日22単位・(Ⅱ)18単位・(Ⅲ)6単位)は、短期入所生活介護と同じ単位数です。医療行為の評価として、介護老人保健施設には特別療養費と緊急時施設療養費、療養病床を有する病院と診療所には特定診療費、介護医療院には特別診療費と緊急時施設診療費があり、これらはサービス提供体制強化加算・介護職員等処遇改善加算とともに、区分支給限度基準額の管理の対象外とされています。限度額の対象外の項目は、居宅サービス計画の単位数の管理で扱いが異なるため、担当の介護支援専門員に算定の予定を伝えておくと調整がしやすくなります。

入所サービスとしての加算は「老健(介護老人保健施設)の加算一覧|在宅復帰・リハビリ・医療対応の主な加算と減算(2026年9月時点)」と「介護医療院の加算一覧|4系統の主な加算・減算と単位数(2026年9月時点)」で整理しています。短期入所療養介護の加算は入所サービスと名前が同じでも単位数や要件が異なるものがあるため、算定構造の短期入所療養介護の欄で確かめてください。

(参考:厚生労働省「介護報酬の算定構造のイメージ(R8.6.1)」、厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(平成12年厚生省告示第19号))

2026年6月以降の処遇改善加算の加算率

2026年度の期中改定で、2026年6月以降の介護職員等処遇改善加算の加算率が改められ、区分は加算Ⅰイ・Ⅰロ・Ⅱイ・Ⅱロ・Ⅲ・Ⅳの6つになりました。ショートステイの加算率は次のとおりです。

サービス区分

加算率(加算Ⅳ〜加算Ⅰロ)

短期入所生活介護

11.3%〜17.6%

短期入所療養介護(介護老人保健施設)

5.9%〜9.7%

短期入所療養介護(介護医療院・病院等)

4.0%〜6.6%

加算率は、処遇改善加算を除く加減算後の総単位数に掛けます。区分ごとの要件と加算率は「介護職員等処遇改善加算の区分と要件|2026年6月以降の加算率と区分変更・実績報告の期限」で解説しています。

(参考:厚生労働省「令和8年度介護報酬改定の概要」)

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主な減算と単位数の調整

短期入所生活介護と短期入所療養介護(介護老人保健施設)には、次の減算が共通して設けられています。

減算の種類

算定のしかた

定員超過・人員基準欠如

所定単位数の70/100で算定

夜勤職員の勤務条件基準を満たさない

所定単位数の97/100で算定

ユニットケアの体制が未整備

所定単位数の97/100で算定

身体拘束廃止未実施減算

所定単位数の1/100を減算

高齢者虐待防止措置未実施減算

所定単位数の1/100を減算

業務継続計画未策定減算

所定単位数の1/100を減算

短期入所療養介護で人員基準欠如の対象になるのは、医師、看護職員、介護職員、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の員数です。ユニットケアの体制の未整備には、常勤のユニットリーダーをユニットごとに配置していない場合などが当たります。

サービスに固有のものとして、短期入所生活介護には、長期利用者に対する減算(1日30単位)と、障害福祉サービスの指定短期入所事業所が共生型短期入所生活介護を行う場合の単位数(所定単位数の92/100)があります。短期入所療養介護には、「その他型」「療養型」の介護老人保健施設と「Ⅱ型」の介護医療院の多床室(1人当たり8㎡以上)で、室料相当額控除として1日26単位が差し引かれます。減算の考え方全体は「介護の減算とは|主な減算の種類と割合・人員欠如減算の猶予・月次の確認手順」で解説しています。

(参考:厚生労働省「介護報酬の算定構造のイメージ(R8.6.1)」、厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」)

連続利用日数による単位数の変化

短期入所生活介護と短期入所療養介護は、利用者が連続して30日を超えて利用している場合、30日を超える日以降は短期入所生活介護費・短期入所療養介護費を算定できません。一方、自費利用を挟んで同じ短期入所生活介護事業所の利用を続けている利用者には、長期利用者に対する減算が適用され、連続60日を超えると、2024年度改定で設けられた長期利用の適正化により、介護福祉施設サービス費(特養の入所)と同じ単位数になります。

2024年度改定の資料では、要介護3の従来型の居室の場合、次のように示されています。2026年6月の算定構造でも同じ単位数です。

利用日数

単独型

併設型

30日目まで(基本報酬)

787単位

745単位

31日目〜60日目

757単位

715単位

61日目以降

732単位

715単位

併設型は、長期利用者に対する減算のあとの単位数がすでに介護福祉施設サービス費以下のため、61日目以降もそれ以上は下がりません。ユニット型は、単独型が891単位から861単位・815単位に、併設型が847単位から817単位・815単位になります。同じ事業所を長期間利用していることは居宅サービス計画で確認することとされているため、連続利用日数は事業所だけでなく担当の介護支援専門員とも共有してください。長期の利用が続く利用者については、施設入所の検討を含めて介護支援専門員と話し合うことが、利用者と家族にとって適した住まい方を選ぶきっかけにもなります。特養の加算は「特養(介護老人福祉施設)の加算一覧|4系統の主な加算・減算と単位数(2026年9月時点)」で整理しています。

(参考:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」、厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(短期入所サービス及び特定施設入居者生活介護に係る部分)及び指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」(老企第40号)令和6年度改正の新旧対照表)

算定状況の点検手順

  1. 自事業所がどの算定構造に当たるかを確かめる。短期入所生活介護と短期入所療養介護の両方を行う事業所や、特養・老健に併設された事業所で、入所サービスや別のサービスの加算の一覧をそのまま使わないようにします。
  2. 届出済みの加算を一覧にし、この記事の表と算定構造に照らして、届け出ていない加算を洗い出す。表に載っていない加算や、介護予防の算定構造を見落とさないようにします。
  3. 算定している加算ごとに、要件を告示と留意事項通知で確かめる。看護体制加算の区分を変えたときに、在宅中重度者受入加算や看取り連携体制加算の区分と要件を見直さないままにしないようにします。
  4. 日数に上限がある加算は、利用者ごとに算定日数を記録する。緊急短期入所受入加算を14日まで延ばすときに、やむを得ない事情の記録を残し忘れないようにします。
  5. 利用者ごとの連続利用日数を毎月確かめる。自費利用の日を連続利用日数から外して数えないようにします。

要件の調べ方は「介護加算の算定要件の調べ方|単位数表・大臣基準告示・留意事項通知と自己点検シート」で解説しています。

まとめ

ショートステイの加算は、短期入所生活介護と短期入所療養介護で算定構造が別で、生活介護は看護体制・緊急の受入れ・送迎、療養介護は医学的な管理・リハビリテーション・認知症ケアを評価する加算が中心です。点検の出発点は、自事業所の算定構造を確かめ、届出済みの加算を一覧にして算定構造と照らし合わせることです。そのうえで、加算ごとの要件を告示と留意事項通知で確かめ、日数に上限のある加算と連続利用日数を利用者ごとに記録し、担当の介護支援専門員と共有してください。

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参考