加算の算定開始月は、届出を出した日そのものではなく、サービス種別ごとの留意事項通知で決まります。訪問・通所系と居宅介護支援は、届出が毎月15日以前なら翌月から、16日以降なら翌々月からです。一方、施設系は、届出が受理された日が属する月の翌月(受理日が月の初日なら当月)からです。

同じ日に届け出ても、種別によって開始月が1か月ずれることがあります。自事業所がどちらのルールかを押さえておけば、提出日を逆算でき、利用者やケアマネジャーへの説明も前もって済ませられます。この記事では、2026年9月時点の通知に沿って、種別ごとの開始月の決まり方と処遇改善加算の期限、算定できなくなるときの扱い、提出日の決め方を扱います。届出の提出先や様式は「介護加算の届出(体制届)の流れ」で解説しています。

サービス種別ごとの算定開始月

算定開始月の決まり方は、留意事項通知の「第1 届出手続の運用」に、通知ごとに書かれています。2026年9月時点では、2024年度の介護報酬改定で示された内容が現行です。

サービス種別

算定開始月の決まり方

例

訪問・通所系サービス(居宅療養管理指導と福祉用具貸与を含む)と居宅介護支援

届出が毎月15日以前なら翌月から、16日以降なら翌々月から

4月15日の届出は5月から、4月16日の届出は6月から

地域密着型のうち定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護、地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護、小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護(介護予防の認知症対応型通所介護と小規模多機能型居宅介護を含む)

届出が毎月15日以前なら翌月から、16日以降なら翌々月から

4月15日の届出は5月から、4月16日の届出は6月から

短期入所生活介護、短期入所療養介護、特定施設入居者生活介護、介護保険施設

届出が受理された日が属する月の翌月から(受理日が月の初日なら当月から)

4月2日〜30日の受理は5月から、5月1日の受理は5月から

地域密着型のうち認知症対応型共同生活介護(介護予防と短期利用型を含む)、地域密着型特定施設入居者生活介護、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護

届出が受理された日が属する月の翌月から(受理日が月の初日なら当月から)

4月2日〜30日の受理は5月から、5月1日の受理は5月から

表の上2行は「届出がなされた日」、下2行は「届出が受理された日」が基準です。地域密着型サービスは、訪問・通所系に近いサービスが15日のルール、居住系・施設系のサービスが受理日のルールに分かれるため、自事業所の種別がどの行に入るかを最初に確かめてください。

(参考:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定について」掲載の留意事項通知(老企第36号、老企第40号、老計発第0331005号ほか)の新旧対照表、厚生労働省 法令等データベース「老企第40号」)

訪問・通所系で15日の区切りがある理由と判断する日

15日のルールの対象は、算定される単位数が増える加算です。通知は、適正な支給限度額管理のため、利用者や居宅介護支援事業者に周知する期間を確保する観点からこの区切りを設けたと説明しています。加算で単位数が増えると、区分支給限度基準額の範囲に収まっていた利用者のケアプランや利用者負担が変わることがあるためです。

電子申請届出システムや電子メールで届け出た場合は、届出を受ける行政機関側のコンピュータのファイルに記録された時に到達したものとみなされます。送信の操作をしても、エラーなどで記録されていなければ到達したことにならないため、15日ぎりぎりの送信は避けます。郵送や窓口で届け出る場合に何日付の届出として扱うか、15日が閉庁日にあたる場合の扱いは、指定権者(都道府県・指定都市・中核市。地域密着型サービスと居宅介護支援は市町村)に確認してください。

施設系は受理日が基準

施設系と地域密着型の居住系・施設系サービスでは、届出が「受理された日」が属する月の翌月から算定します。15日の区切りはありません。書類に不備があって補正を求められると、受理日が遅れて月をまたぎ、開始月が1か月後ろにずれる場合があります。算定したい月の前月中に受理されるよう、指定権者の受付や審査にかかる日数の目安を早めに確認しておきます。なお、受理日が月の初日であれば、その月から算定できます。

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処遇改善加算の体制届出と計画書の期限

介護職員等処遇改善加算は、体制届出に加えて処遇改善計画書の提出が必要です。2026年度分の通知では、体制届出の期日を、居宅系サービス(居宅介護支援と介護予防支援を含む)は算定を開始する月の前月15日、施設系サービス(短期入所、特定施設、認知症対応型共同生活介護と地域密着型介護老人福祉施設を含む)は算定を開始する月の1日までとしています。これは、上の表の2つのルールと同じ考え方です。

処遇改善計画書は、その事業年度で初めて加算を算定する月の前々月の末日までに提出します。体制届出より期限が早いため、2つの期限を別々に管理します。確認の事務に要する時間が十分確保できる場合などは、都道府県知事等が提出期日を延長しても差し支えないとされていますので、延長の有無は指定権者の案内で確かめてください。加算の区分と要件は「介護職員等処遇改善加算の区分と要件」で解説しています。

(参考:厚生労働省「介護職員等処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年度分)」)

算定できなくなるときは事実が発生した日から

開始月のルールは、加算を算定し始める場面の話です。職員の退職などで要件を満たさなくなり、加算を算定できなくなる状況が生じたとき、または算定できなくなることが明らかなときは、速やかに届け出ます。この場合は、算定できなくなった事実が発生した日から加算を算定できません。届出をせずに請求すると不正請求となり、支払われた介護給付費は返還の対象になります。利用者が支払った利用者負担の過払い分も、利用者に返還することになります。要件を満たしているかは、開始後も月ごとに確かめておきます。

(参考:厚生労働省 法令等データベース「老企第36号」第一の5)

算定したい月から逆算する提出日の決め方

  1. 算定したい月を決め、自事業所のサービスが15日のルールと受理日のルールのどちらかを確かめる。よくある失敗は、併設する別サービスのルールで判断してしまうことです。
  2. 15日のルールのサービスは、算定したい月の前月15日までに届出が到達する日を提出期限にする。よくある失敗は、電子届出の送信日を到達日と思い込むことです。
  3. 受理日のルールのサービスは、算定したい月の前月中に受理されるよう、補正の期間を見込んで提出する。よくある失敗は、月末に出して補正で受理が翌月にずれることです。
  4. 処遇改善加算を算定する場合は、処遇改善計画書(前々月の末日)と体制届出の期限を別々に管理する。よくある失敗は、体制届出の期限だけを見て計画書が間に合わなくなることです。
  5. 算定開始月の前に、利用者とケアマネジャーに単位数と利用者負担の変更を説明する。よくある失敗は、届出後の説明が遅れて、ケアプランの見直しが開始月に間に合わないことです。

まとめ

加算の算定開始月は、サービス種別によって「届出が15日以前か」と「受理日が属する月の翌月か」のどちらかで決まります。まず自事業所の種別がどちらのルールかを確かめ、算定したい月から提出日を逆算してください。そのうえで、指定権者の受付方法と審査の目安、処遇改善加算の計画書の期限を確認し、利用者とケアマネジャーへの説明を開始月の前に済ませると、利用者が負担の変化を前もって知ったうえでサービスを使えます。

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参考