通所介護(デイサービス)の加算は、算定の単位が加算ごとに違います。「1日につき」「1回につき」「1月につき」の3つです。回数に限度があるものもあります。単位数の大小だけで比べず、算定の単位と回数の限度をあわせて見ます。こうすると、請求の誤りや算定漏れに気づきやすくなります。

この記事では、2026年10月時点の通所介護の主な加算と減算を、4系統に分けて示します。利用者の状況、機能訓練、口腔と栄養、事業所の体制です。もとにした資料は、厚生労働省「介護報酬の算定構造のイメージ(R8.6.1)」です。請求前の確認手順も扱います。地域密着型通所介護は、単位数や加算率が異なるため対象外です。「地域密着型通所介護の加算一覧」で扱っています。全加算の網羅でもありません。各加算の算定要件は、告示と留意事項通知で確かめてください。

基本報酬に上乗せされる加算と減算の仕組み

通所介護費の基本報酬は、3つの組み合わせで決まります。事業所の規模、サービス提供時間、要介護度です。規模は、通常規模型・大規模型(Ⅰ)・大規模型(Ⅱ)の3つです。提供時間は、3時間以上4時間未満から8時間以上9時間未満までの6区分です。この記事で挙げる加算と減算は、この基本報酬に足し引きする単位数です。なお、8時間以上9時間未満の通所介護の前後に、日常生活上の世話を行った場合の加算もあります。9時間以上10時間未満で50単位です。以降1時間ごとに50単位ずつ増え、13時間以上14時間未満で250単位になります。

介護職員等処遇改善加算だけは、単位数が決まっていません。基本報酬とほかの加算・減算を合計した単位数に、加算率を掛けて算定します。また、区分支給限度基準額の管理の対象外になる項目があります。サービス提供体制強化加算、介護職員等処遇改善加算、同一建物から利用する場合の減算などです。限度額の管理では、これらの加算は足しません。同一建物の減算は、差し引く前の単位数で数えます。ケアマネジャーと限度額を調整するときは、双方がこの扱いで計算しているかを確かめます。限度額超過の食い違いを防げます。

(参考:厚生労働省「介護報酬の算定構造のイメージ(R8.6.1)」)

利用者の状況に応じた加算(入浴・中重度・認知症)

入浴の介助や、中重度の要介護者・認知症の利用者の受入れを評価する加算です。いずれも1日につき算定します。

加算

単位数

算定の単位

入浴介助加算(Ⅰ)

40単位

1日につき

入浴介助加算(Ⅱ)

55単位

1日につき

中重度者ケア体制加算

45単位

1日につき

認知症加算

60単位

1日につき

若年性認知症利用者受入加算

60単位

1日につき

1日につき算定する加算は、利用日数に比例して増えます。1日分の付け誤りが、月の請求額にそのまま積み重なります。特に入浴介助加算は、利用した日ではなく、入浴介助を実施した日だけが対象です。

(参考:厚生労働省「介護報酬の算定構造のイメージ(R8.6.1)」)

機能訓練の加算(個別機能訓練・生活機能向上連携・ADL維持等)

機能訓練に関する加算は、1日につき算定するものと、1月につき算定するものが混在しています。

加算

単位数

算定の単位

個別機能訓練加算(Ⅰ)イ

56単位

1日につき

個別機能訓練加算(Ⅰ)ロ

76単位

1日につき

個別機能訓練加算(Ⅱ)

20単位

1月につき

生活機能向上連携加算(Ⅰ)

100単位

1月につき(3月に1回まで)

生活機能向上連携加算(Ⅱ)

200単位

1月につき

ADL維持等加算(Ⅰ)

30単位

1月につき

ADL維持等加算(Ⅱ)

60単位

1月につき

生活機能向上連携加算(Ⅱ)は、個別機能訓練加算を算定している場合は1月につき100単位になります。個別機能訓練加算の体制と書類は「個別機能訓練加算」で解説しています。ADL維持等加算の評価対象期間とADL利得は「ADL維持等加算の算定要件」で確かめられます。

(参考:厚生労働省「介護報酬の算定構造のイメージ(R8.6.1)」)

口腔・栄養・科学的介護の加算

口腔と栄養の加算には、1回ごとに算定して回数に限度があるものと、1月につき算定するものがあります。

加算

単位数

算定の単位

栄養アセスメント加算

50単位

1月につき

栄養改善加算

200単位

1回につき(月2回まで)

口腔・栄養スクリーニング加算(Ⅰ)

20単位

1回につき(6月に1回まで)

口腔・栄養スクリーニング加算(Ⅱ)

5単位

1回につき(6月に1回まで)

口腔機能向上加算(Ⅰ)

150単位

1回につき(月2回まで)

口腔機能向上加算(Ⅱ)

160単位

1回につき(月2回まで)

科学的介護推進体制加算

40単位

1月につき

回数に限度がある加算は、すでに算定した回数によって、請求できるかどうかが変わります。

この記事で挙げた加算のうち、次の5つはLIFEへの様式情報の提出が必要です。科学的介護推進体制加算、ADL維持等加算、個別機能訓練加算(Ⅱ)、栄養アセスメント加算、口腔機能向上加算(Ⅱ)です。LIFEは、2026年5月11日から公益社団法人国民健康保険中央会(国保中央会)の運用に移りました。厚生労働省が運用していたLIFEからの移行期間は、2026年7月31日で終わっています。算定している事業所は、国保中央会運用LIFEへの移行を済ませ、提出できる状態かを確かめてください。移管後の準備は「科学的介護推進体制加算の算定要件」で解説しています。加算ごとの提出頻度は「LIFEへの提出が必要な加算の一覧」で確かめられます。

(参考:厚生労働省「介護報酬の算定構造のイメージ(R8.6.1)」、介護保険最新情報Vol.1495)

事業所の体制の加算と処遇改善加算

サービス提供体制強化加算は、事業所の職員体制を評価する加算です。介護福祉士の割合などを見ます。1回につき算定します。

加算

単位数

算定の単位

サービス提供体制強化加算(Ⅰ)

22単位

1回につき

サービス提供体制強化加算(Ⅱ)

18単位

1回につき

サービス提供体制強化加算(Ⅲ)

6単位

1回につき

区分ごとの職員割合の計算方法は「サービス提供体制強化加算の算定要件」で解説しています。

介護職員等処遇改善加算は、1月につき、所定単位数に次の加算率を掛けて算定します。

区分

通所介護の加算率

加算(Ⅰ)イ

11.1%

加算(Ⅰ)ロ

12.0%

加算(Ⅱ)イ

10.9%

加算(Ⅱ)ロ

11.8%

加算(Ⅲ)

9.9%

加算(Ⅳ)

8.3%

2026年6月の期中改定で、処遇改善加算の対象は介護職員から介護従事者に広がりました。加算率も引き上げられています。生産性向上や協働化に取り組む事業所向けに、加算(Ⅰ)ロ・(Ⅱ)ロも新設されました。ロの区分を算定するには、2026年度の特例要件を満たす必要があります。通所介護などの訪問・通所サービスでは、次のいずれかです。1つは、ケアプランデータ連携システムに加入して実績を報告することです。加算の申請時点では、加入の誓約でも認められます。もう1つは、社会福祉連携推進法人に所属していることです。区分の選び方と実績報告の期限は「介護職員等処遇改善加算の区分と要件」で解説しています。

(参考:厚生労働省「介護報酬の算定構造のイメージ(R8.6.1)」「令和8年度介護報酬改定について」)

送迎・同一建物・人員と運営基準に関する減算

通所介護の主な減算は次のとおりです。

減算

減算の幅

事業所が送迎を行わない場合

片道につき47単位

同一建物に居住・同一建物から利用

1日につき94単位

定員超過・看護介護職員の人員欠如

所定単位数の70%で算定

高齢者虐待防止措置未実施減算

所定単位数の1%

業務継続計画未策定減算

所定単位数の1%

同一建物の減算の対象は、事業所と同一建物に居住する者です。同一建物から通所介護を利用する者も対象になります。送迎と同一建物の減算は、利用者ごと・日ごとに決まります。そのため、送迎記録や住所と照合します。一方、定員超過・人員欠如と2つの未実施減算は、事業所の体制や運営の状況で決まる減算です。人員欠如減算の扱いは「介護の減算とは」で解説しています。

(参考:厚生労働省「介護報酬の算定構造のイメージ(R8.6.1)」)

請求前の確認手順

毎月の請求前に、次の順で確かめます。

  1. 算定中の加算と減算を、「1日」「1回」「1月」の算定の単位別に書き出します。体制の届出の内容と、請求ソフトに設定している加算がずれていないかも見ます。前年度の設定をそのまま使い、2026年6月の処遇改善加算の区分を見直し忘れる例に注意してください。
  2. 1日・1回につき算定する加算を、サービス提供記録と日ごとに突き合わせます。実施の記録がある日だけを数えます。入浴しなかった日に、入浴介助加算を付けたままにしないためです。
  3. 回数に限度がある加算の算定回数を数えます。栄養改善加算と口腔機能向上加算は月2回までです。口腔・栄養スクリーニング加算は6月に1回、生活機能向上連携加算(Ⅰ)は3月に1回までです。前の月までの算定回数を見落とさないよう、利用者ごとに算定月を記録しておきます。
  4. 1月につき算定する加算は、根拠となる計画や評価の記録が対象月の分そろっているかを確かめます。LIFEへの提出が必要な加算は、提出期限までに国保中央会運用LIFEへ提出できているかも見ます。
  5. 送迎減算と同一建物減算を、利用者ごとの送迎記録と住所に照らして確かめます。家族が送迎した日の減算は付け忘れやすいため、送迎表と突き合わせます。

まとめ

通所介護の加算は、利用者の状況・機能訓練・口腔と栄養・事業所の体制の4系統に分けて見ます。そのうえで、算定の単位(1日・1回・1月)と回数の限度をあわせて見ると整理できます。

出発点は、自事業所が算定している加算と減算を、算定の単位別に書き出すことです。請求ソフトの設定と体制の届出の内容が、一致しているかを確かめます。算定の根拠となる記録をそろえることは、ケアの確認にもなります。入浴や機能訓練、口腔・栄養のケアが、計画どおり利用者に届いているかを確かめられます。

次に、取得を検討している加算があれば、告示と留意事項通知で算定要件を確かめます。必要な体制の届出の時期は、指定権者に確認してください。

参考