居宅介護支援(ケアマネジャーの事業所)の加算は、利用者ごとの状況で決まるもの(初回、入院・退院・通院時の医療機関との連携、看取り期の支援)、事業所の体制で決まるもの、事業所や利用者の所在地で決まるもの、処遇改善の4つに分けると整理できます。算定の単位はほとんどが「1月につき」です。基本の単位数が介護支援専門員1人当たりの取扱件数で変わることと、運営基準を守れていないと基本の単位数が半分になる減算があることも、このサービスの特徴です。加算と減算を正しく押さえることは、入退院の場面で医療機関と情報をやり取りする体制を続け、利用者が切れ目なくサービスを受けられるようにする前提にもなります。

この記事では、厚生労働省「介護報酬の算定構造のイメージ(R8.6.1)」と単位数表の告示をもとに、居宅介護支援の加算と減算をすべて載せています。あわせて、取扱件数による基本の単位数の区分、2026年6月に新設された介護職員等処遇改善加算の要件と届出、介護予防支援との違い、算定中の加算の点検手順を扱います。各加算の算定要件の細部は、告示と留意事項通知で確かめてください。なお、こちらの単位数は2026年6月改定後のものです。

一覧を読む前に押さえる4つの点

1つ目は算定の単位です。居宅介護支援費は1月につき算定し、加算も大半が1月単位です。ただし、入院時情報連携加算と通院時情報連携加算は利用者1人につき月1回まで、緊急時等居宅カンファレンス加算は月2回まで、退院・退所加算は入院または入所の期間中に1回までと、回数の限度が加算ごとに違います。

2つ目は体制届です。一覧の「体制届」の列が「必要」の加算は、市町村に「介護給付費算定に係る体制等状況一覧表」を提出していなければ算定できません。居宅介護支援費(Ⅱ)の体制と、特定事業所集中減算に当たるかどうかも、この一覧表で届け出る項目です。単位数が増える届出は、毎月15日以前に出せば翌月から、16日以降なら翌々月から算定が始まります。届出の流れは「介護加算の届出(体制届)の流れ」、算定開始月の考え方は「介護加算はいつから算定できるか」で解説しています。

3つ目は利用者負担がないことです。居宅介護支援の費用は、基準で算定した額がそのまま居宅介護サービス計画費として保険から給付されます。加算を算定しても利用者の支払いは変わらないため、算定が正しいかどうかは事業所の点検で確かめることになります。

4つ目は給付管理票との関係です。居宅介護支援費は、月の末日の時点で給付管理票を提出している事業者が算定します。サービスの利用実績がない月は給付管理票を作成できないため、原則として請求できません。また、利用者が月を通じて特定施設入居者生活介護、小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護などを受けている月は算定しません(いずれも短期利用の場合を除きます)。

(参考:厚生労働省「介護報酬の算定構造のイメージ(R8.6.1)」、「指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準」(平成12年厚生省告示第20号)、老企第36号 第1の1(6)・第3の5、「介護給付費算定に係る体制等に関する届出等における留意点について」の別紙様式(別紙1-1)、介護保険法第46条第2項)

加算を算定の単位・届出の要否・限度額管理の3つの軸で見る方法は、「介護報酬の加算一覧の見方」で解説しています。

加算の土台になる基本の単位数と取扱件数の区分

居宅介護支援費は、利用者の要介護度と、介護支援専門員1人当たりの取扱件数で決まります。取扱件数が一定の数以上になると、超えた部分の利用者について単位数が下がります。

区分

取扱件数のうち算定する部分

要介護1・2

要介護3・4・5

居宅介護支援費(Ⅰ)(ⅰ)

45件未満の部分

1,086単位

1,411単位

居宅介護支援費(Ⅰ)(ⅱ)

45件以上60件未満の部分

544単位

704単位

居宅介護支援費(Ⅰ)(ⅲ)

60件以上の部分

326単位

422単位

居宅介護支援費(Ⅱ)(ⅰ)

50件未満の部分

1,086単位

1,411単位

居宅介護支援費(Ⅱ)(ⅱ)

50件以上60件未満の部分

527単位

683単位

居宅介護支援費(Ⅱ)(ⅲ)

60件以上の部分

316単位

410単位

取扱件数は、事業所全体の利用者(月末に給付管理を行っている人)の数に、介護予防支援の利用者の数の3分の1を足し、常勤換算の介護支援専門員の数で割って求めます。介護予防支援の利用者には、事業所が指定を受けて担当する人と、地域包括支援センターから委託を受けて担当する人の両方が入ります(大臣が定める地域に住む利用者を除きます)。

(ⅰ)(ⅱ)(ⅲ)は、利用者の契約日が古い順に割り当てます。居宅介護支援費(Ⅰ)で介護支援専門員が常勤換算で1人の事業所なら、44件目までが(ⅰ)、45件目以降が取扱件数に応じて(ⅱ)または(ⅲ)です。常勤換算で1人を超える場合は、45にその人数を掛けた数から1を引いた件数(小数点以下は切り捨て)までが(ⅰ)になります。居宅介護支援費(Ⅱ)では、「44件目」を「49件目」、「45」を「50」と読み替えます。

居宅介護支援費(Ⅱ)を算定できるのは、ケアプランデータ連携システムを利用し、事務職員を配置していると市町村に届け出た事業所です。システムは、利用申請をしてクライアントソフトをインストールしていれば要件を満たし、ほかの事業者とのデータ連携の実績は問われません。事務職員は常勤でなくてもよく、同一法人内の配置でも認められます。システムの概要は「ケアプランデータ連携システムとは?」で解説しています。

職員の入退職があった月や利用者が増えた月は、取扱件数と割り当てを計算し直してください。なお、月の途中で要介護度が変わって単位数の区分をまたいだ場合は、月末の要介護度で請求します。

(参考:厚生労働省「介護報酬の算定構造のイメージ(R8.6.1)」、「指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準」(平成12年厚生省告示第20号)、老企第36号 第3の3・7)

利用者ごとの状況で決まる加算

加算

単位数

算定の単位

主な条件

体制届

初回加算

300単位

1月につき

新規に居宅サービス計画を作成する場合など

不要

入院時情報連携加算(Ⅰ)

250単位

1月につき(月1回まで)

入院した日のうちに病院または診療所の職員へ情報を提供

不要

入院時情報連携加算(Ⅱ)

200単位

1月につき(月1回まで)

入院した日の翌日または翌々日に情報を提供

不要

退院・退所加算(Ⅰ)イ

450単位

入院・入所の期間中に1回まで

カンファレンス以外の方法で情報の提供を1回受ける

不要

退院・退所加算(Ⅰ)ロ

600単位

入院・入所の期間中に1回まで

カンファレンスで情報の提供を1回受ける

不要

退院・退所加算(Ⅱ)イ

600単位

入院・入所の期間中に1回まで

カンファレンス以外の方法で情報の提供を2回以上受ける

不要

退院・退所加算(Ⅱ)ロ

750単位

入院・入所の期間中に1回まで

情報の提供を2回受け、うち1回以上がカンファレンス

不要

退院・退所加算(Ⅲ)

900単位

入院・入所の期間中に1回まで

情報の提供を3回以上受け、うち1回以上がカンファレンス

不要

通院時情報連携加算

50単位

1月につき(月1回まで)

医師または歯科医師の診察に同席して情報をやり取り

不要

緊急時等居宅カンファレンス加算

200単位

1月に2回まで

病院または診療所の求めで医師や看護師等と居宅を訪問しカンファレンス

不要

ターミナルケアマネジメント加算

400単位

死亡月につき

在宅で亡くなった利用者に死亡日と死亡日前14日以内に2日以上訪問

必要

初回加算は、新規に居宅サービス計画を作成する場合のほか、要支援の人が要介護認定を受けた場合と、要介護状態区分が2区分以上変わった場合の計画の作成でも算定します。ただし、運営基準減算に当たる場合は算定できません。

入院時情報連携加算は、(Ⅰ)と(Ⅱ)のどちらか一方を算定します。(Ⅰ)は入院の日より前に情報を提供した場合も対象で、営業時間の終了後や営業日以外の日に入院した場合は、翌日の提供も含みます。提供する情報は、入院日、心身の状況、生活環境、サービスの利用状況で、提供した日時・場所・内容・手段を居宅サービス計画等に記録します。

退院・退所加算は、病院・診療所に入院していた人や、地域密着型介護老人福祉施設・介護保険施設に入所していた人が居宅に戻る際に、その病院や施設の職員と面談して情報の提供を受け、居宅サービス計画を作成してサービスの利用を調整した場合の加算です。5つの区分のうち1つだけを、サービスの利用開始月に算定し、初回加算を算定する場合は算定できません。同じ日に複数回の情報の提供を受けても1回と数えます。病院・診療所のカンファレンスは、診療報酬の退院時共同指導料2の注3の要件を満たすものに限られ、参加した場合は日時・開催場所・出席者・内容の要点を記録します。

通院時情報連携加算は、利用者の同意を得て診察に同席し、医師等と情報をやり取りして居宅サービス計画に記録した場合に算定します。緊急時等居宅カンファレンス加算は、実施日、参加した医療関係職種等の氏名、カンファレンスの要点を居宅サービス計画等に記載します。

ターミナルケアマネジメント加算は、この表のなかで唯一、体制届が必要です。24時間連絡できる体制などを整えていると届け出た事業所が、終末期の医療やケアの方針について利用者または家族の意向を把握したうえで、同意を得て居宅を訪問し、心身の状況等を記録して主治の医師と居宅サービス事業者に提供した場合に算定します。算定できるのは、利用者1人につき1か所の事業所だけです。

これらは利用者ごとの記録が根拠になる加算です。情報を提供した日、面談の回数、カンファレンスの有無が区分を決めるため、支援経過に日付と方法が残っているかを、請求前に確かめてください。

(参考:厚生労働省「介護報酬の算定構造のイメージ(R8.6.1)」、「指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準」(平成12年厚生省告示第20号)、「厚生労働大臣が定める基準」(平成27年厚生労働省告示第95号)第85号〜第85号の3、老企第36号 第3の12・16〜20)

事業所の体制で決まる特定事業所加算と特定事業所医療介護連携加算

加算

単位数

算定の単位

常勤・専従の介護支援専門員の配置

体制届

特定事業所加算(Ⅰ)

519単位

1月につき

主任介護支援専門員2名以上と、それとは別に介護支援専門員3名以上

必要

特定事業所加算(Ⅱ)

421単位

1月につき

主任介護支援専門員と、それとは別に介護支援専門員3名以上

必要

特定事業所加算(Ⅲ)

323単位

1月につき

主任介護支援専門員と、それとは別に介護支援専門員2名以上

必要

特定事業所加算(A)

114単位

1月につき

主任介護支援専門員と、それとは別に介護支援専門員1名以上、さらに常勤換算で1以上の介護支援専門員

必要

特定事業所医療介護連携加算

125単位

1月につき

特定事業所加算(Ⅰ)〜(Ⅲ)のいずれかの配置

必要

特定事業所加算は、4つの区分のうち1つだけを算定します。配置のほかに、どの区分にも共通する要件があります。利用者の情報などを伝える会議をおおむね週1回以上開くこと、24時間連絡できる体制を確保すること、計画的に研修を行うこと、地域包括支援センターから紹介された支援困難な事例を受け入れること、特定事業所集中減算の適用を受けていないこと、介護支援専門員1人当たりの利用者数が45名未満(居宅介護支援費(Ⅱ)を算定している場合は50名未満)であることなどです。(Ⅰ)だけは、利用者のうち要介護3〜5の人の割合が40%以上であることも求められます。(A)は、24時間の連絡体制や研修などを、連携先の居宅介護支援事業所との連携で満たすことができます。

特定事業所医療介護連携加算は、特定事業所加算(Ⅰ)〜(Ⅲ)のいずれかを算定している事業所が対象です。前々年度の3月から前年度の2月までの間に、退院・退所加算の算定に係る病院や施設との連携の回数が35回以上あり、ターミナルケアマネジメント加算を15回以上算定していることが要件です。前者は加算の算定回数ではなく、情報の提供を受けた回数で数えます。

特定事業所加算を算定している事業所は、毎月末までに基準の遵守状況の記録を作成し、2年間保存します。主任介護支援専門員の退職などで要件を欠くと算定できなくなり、速やかな届出が必要になるため、配置と利用者数は毎月確かめてください。

(参考:厚生労働省「介護報酬の算定構造のイメージ(R8.6.1)」、「厚生労働大臣が定める基準」(平成27年厚生労働省告示第95号)第84号・第84号の2、老企第36号 第1の5・第3の14・15)

事業所や利用者の所在地で決まる地域の加算

加算

割合

主な条件

体制届

特別地域居宅介護支援加算

所定単位数の15%を加算

大臣が定める地域にある事業所の介護支援専門員が居宅介護支援を行う

必要

中山間地域等における小規模事業所加算

所定単位数の10%を加算

大臣が定める地域にあり、施設基準に適合する事業所の介護支援専門員が行う

必要

中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算

所定単位数の5%を加算

大臣が定める地域に住む利用者に、通常の事業の実施地域を越えて行う

不要

算定構造では、特別地域居宅介護支援加算と中山間地域等における小規模事業所加算は、居宅介護支援費(ⅰ)の行に置かれています。中山間地域等における小規模事業所加算は、体制届で「地域に関する状況」と「規模に関する状況」の両方を届け出ます。規模の判定に使う実利用者数は毎月記録し、基準の人数を上回ったら直ちに届け出ます。事業所の所在地や利用者の住所が対象の地域に当たるかは、市町村に確かめてください。

(参考:厚生労働省「介護報酬の算定構造のイメージ(R8.6.1)」、「指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準」(平成12年厚生省告示第20号)、老企第36号 第3の11、「介護給付費算定に係る体制等に関する届出等における留意点について」の別紙様式(別紙1-1))

2026年6月に新設された介護職員等処遇改善加算

2026年6月施行の期中改定で、それまで介護職員等処遇改善加算の対象外だった居宅介護支援と介護予防支援が対象になりました。加算率は2.1%で、基本の単位数にほかの加算と減算を反映した1月当たりの単位数(算定構造のイからリまでの合計)に掛けて算定します。加算の区分はこの1つだけです。

算定する事業所は、加算額に相当する賃金改善を行います。対象は「介護職員その他の職員」で、事業所内の配分は事業所が判断できますが、職務の内容や勤務の実態に見合わない著しく偏った配分はできません。そのうえで、次のどちらかの要件を満たします。

  • 2026年度特例要件:ケアプランデータ連携システムを利用していること、または法人が社会福祉連携推進法人に所属していること
  • 加算Ⅳに準ずる要件:キャリアパス要件Ⅰ(任用要件・賃金体系の整備等)、キャリアパス要件Ⅱ(研修の実施等)、職場環境等要件のすべて

ケアプランデータ連携システムをまだ利用していない場合も、加入して利用すると誓約すれば、申請の時点から特例要件を満たしたものとして扱われます。この場合は、2027年3月末までに利用したうえで、実績報告書で利用実績を報告します。データ連携の実績が問われない居宅介護支援費(Ⅱ)の要件とは扱いが違う点に気をつけてください。加算Ⅳに準ずる要件も、処遇改善計画書で2027年3月末までの整備を誓約すれば、申請の時点から満たしたものとされます。

届出は、体制届を算定開始月の前月15日まで、処遇改善計画書を初めて算定する月の前々月の末日までに、市町村に提出します。たとえば2026年12月から算定する場合、計画書は2026年10月末まで、体制届は2026年11月15日までが期日です(計画書の期日は延長されている場合があります)。2026年度分の実績報告書の提出期日は、通常は2027年7月31日です。処遇改善加算の全体像は「介護職員等処遇改善加算の区分と要件」で解説しています。

(参考:厚生労働省老健局「令和8年度介護報酬改定について」、「介護職員等処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年度分)」(令和8年3月13日老発0313第6号)、「介護報酬の算定構造のイメージ(R8.6.1)」)

居宅介護支援の減算

減算

減算の内容

主な条件

運営基準減算

所定単位数の50%で算定(2月以上続く場合は算定しない)

居宅介護支援の業務が運営基準どおりに行われていない

特定事業所集中減算

1月につき200単位を減算

訪問介護などで同じ法人を位置付けた計画の割合が80%を超える

同一建物の利用者への減算

所定単位数の95%で算定

同一敷地内建物等に住む利用者、または利用者が20人以上住む建物の利用者

高齢者虐待防止措置未実施減算

所定単位数の1%を減算

虐待防止の措置が未実施

業務継続計画未策定減算

所定単位数の1%を減算

業務継続計画が未策定

運営基準減算は、次のいずれかに当たる場合に、その状態が解消された月の前月まで適用されます。

  • サービスの提供開始にあたって、複数の居宅サービス事業者等の紹介を求められることを利用者に説明していない
  • 居宅サービス計画の新規作成や変更のときに、居宅を訪問して利用者と家族に面接していない、サービス担当者会議を開いていない、または計画の原案を説明して文書で同意を得たうえで利用者と担当者に交付していない
  • 要介護更新認定や要介護状態区分の変更の認定を受けたときに、サービス担当者会議等を行っていない
  • モニタリングで、月1回の居宅訪問による面接をしていない、または結果を記録していない状態が1月以上続いている

モニタリングの面接は、利用者の文書による同意と、サービス担当者会議等での主治の医師や担当者の合意があるなどの条件を満たせば、居宅の訪問を2月に1回とし、訪問しない月はテレビ電話装置等で行うこともできます。

特定事業所集中減算は、年に2回判定します。前期(3月1日から8月末日)の判定は10月1日から翌年3月31日まで、後期(9月1日から2月末日)の判定は4月1日から9月30日までの居宅介護支援のすべてに適用されます。対象は訪問介護、通所介護、福祉用具貸与、地域密着型通所介護で、サービスごとに、紹介件数が最も多い法人を位置付けた計画の割合を計算します。すべての事業所が、前期は9月15日まで、後期は3月15日までに判定の書類を作成し、80%を超えた場合は市町村に提出します。80%を超えなかった場合も、書類は2年間保存します。正当な理由があれば適用されませんが、その判断は市町村が行います。

同一建物の利用者への減算は、事業所と同じ敷地内や隣接する敷地内の建物、事業所と同じ建物に住む利用者と、それ以外の建物で1月当たりの利用者が20人以上住む建物の利用者が対象です。20人以上かどうかは、その月に給付管理票を提出した利用者のうち、その建物に住む人の合計で数えます。高齢者虐待防止措置未実施減算は、委員会の定期的な開催、指針の整備、年1回以上の研修、担当者の配置のいずれかが欠けている場合に、利用者全員について適用されます。減算の全体像は「介護の減算とは」で解説しています。

(参考:厚生労働省「介護報酬の算定構造のイメージ(R8.6.1)」、「指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準」(平成12年厚生省告示第20号)、老企第36号 第3の6・8〜10・13)

介護予防支援で扱いが違う点

居宅介護支援事業所が市町村の指定を受けて要支援の利用者の介護予防支援を行う場合は、介護予防支援費(Ⅱ)を算定します。

項目

単位数・割合

算定構造での位置づけ

介護予防支援費(Ⅰ)

1月につき442単位

地域包括支援センターが行う場合

介護予防支援費(Ⅱ)

1月につき472単位

指定居宅介護支援事業者が行う場合

初回加算

1月につき300単位

介護予防支援費の区分を問わない

委託連携加算

300単位

介護予防支援費(Ⅰ)を算定する場合のみ

地域の3つの加算(特別地域介護予防支援加算など)

所定単位数の15%・10%・5%を加算

介護予防支援費(Ⅱ)の行にある加算

介護職員等処遇改善加算

1月につき所定単位の2.1%を加算

所定単位は介護予防支援費・初回加算・委託連携加算の合計

介護予防支援の算定構造には、特定事業所加算や、入院時情報連携加算・退院・退所加算などの医療機関との連携の加算、ターミナルケアマネジメント加算がありません。減算は、高齢者虐待防止措置未実施減算と業務継続計画未策定減算(いずれも所定単位数の1%)だけです。要介護から要支援に変わった利用者の明細に、居宅介護支援の加算が残っていないかに気をつけてください。

(参考:厚生労働省「介護報酬の算定構造のイメージ(R8.6.1)」)

算定中の加算の点検手順

  1. 直近の請求明細と給付管理票から、算定中の加算と減算を「事業所の体制で決まるもの」と「利用者ごとに決まるもの」に分けて書き出す。退院・退所加算のように入院・入所の期間で回数が決まる加算を、月単位の加算と同じ欄にまとめないようにします。
  2. 体制届が必要な項目(居宅介護支援費(Ⅱ)、特定事業所加算、特定事業所医療介護連携加算、ターミナルケアマネジメント加算、地域の加算、処遇改善加算、特定事業所集中減算)を、体制届の控えと照合する。主任介護支援専門員の退職などで配置が変わったのに、届出が前の区分のままになっていないかに気をつけます。
  3. 取扱件数を計算し、(ⅰ)(ⅱ)(ⅲ)の割り当てが契約日の古い順になっているかを確かめる。委託を受けて担当している介護予防支援の利用者を数え忘れないようにします。
  4. 利用者ごとの加算を、支援経過と居宅サービス計画の記録と照合する。退院・退所加算と初回加算の両方を同じ利用者に算定していないかを確かめます。
  5. 運営基準減算に当たる利用者がいないかを、モニタリング、サービス担当者会議、計画の同意と交付の記録で確かめる。要介護更新認定や区分変更の認定のときのサービス担当者会議が抜けていないかに気をつけます。
  6. 特定事業所集中減算の判定の書類が期日までに作成され、保存されているかを確かめる。80%を超えなかった期の書類を作らずに済ませないようにします。
  7. 処遇改善加算を算定している場合は、計画書で誓約した要件を2027年3月末までに整える予定を立てる。ケアプランデータ連携システムの利用を誓約した場合に、加入しただけで利用実績を残さないままにしないようにします。

加算ごとの要件を告示と通知でたどる順番は、「介護加算の算定要件の調べ方」で解説しています。

まとめ

居宅介護支援の加算は、利用者ごとの加算、事業所の体制の加算、地域の加算、処遇改善加算の4つに分け、取扱件数による基本の単位数の区分と、運営基準減算・特定事業所集中減算をあわせて押さえると整理できます。出発点は、自事業所の請求明細と体制届の控えを並べ、算定中の加算と減算を書き出すことです。そのうえで、取扱件数の割り当てと利用者ごとの記録を確かめ、未算定の加算のうち要件を満たせるものがあれば、届出の期日を市町村に確かめてください。ほかのサービスの加算は「介護の加算一覧」にまとめています。

参考