ケアプランデータ連携システムは、毎月のケアプランをデータで送受信する仕組みです。居宅介護支援事業所と介護サービス事業所が、計画・予定・実績の情報をやり取りします。これまで紙やFAXで行ってきたやり取りを、データに置き換えます。運用しているのは、国民健康保険中央会です。2027年1月(予定)には、介護情報基盤の「介護WEBサービス」に統合されます。正式な名前は「介護保険資格確認等WEBサービス」です。

統合後は利用料がかからず、専用ソフトのインストールも要らなくなります。一方で、使い続けるには、介護WEBサービスへの利用登録が必要です。登録の期限は、2026年12月です。この記事では、減らせる作業、利用に必要なもの、利用料を扱います。移行で変わる点、準備の手順、居宅介護支援の報酬との関係も整理します(2026年10月時点)。

システムで減らせる作業

居宅介護支援事業所と介護サービス事業所は、毎月、サービスの予定と実績を受け渡しています。これまでは、紙やFAXが使われてきました。受け取った側は、その内容を自事業所の介護ソフトに入力し直す必要があります。このシステムでは、介護ソフトから出力したデータを送ります。受け取った側は、データを介護ソフトに取り込みます。そのため、印刷・送付・転記の作業が要らなくなります。

作業

紙・FAXでのやり取り

システムを使う場合

予定の受け渡し

居宅介護支援事業所が印刷して郵送・FAXで送る

介護ソフトから出力したデータを送信する

受け取った予定の登録

介護サービス事業所が介護ソフトに手で入力する

受信したデータを介護ソフトに取り込む

実績の返送

介護サービス事業所が紙に記入して郵送・FAXで送る

介護ソフトから出力した実績のデータを送信する

実績の確認

居宅介護支援事業所が紙を見ながら入力する

受信したデータを介護ソフトに取り込む

ただし、作業が減るのは、相手の事業所も同じシステムを使っている場合に限られます。自事業所だけが導入しても、紙のやり取りは残ります。導入の前に、やり取りの多い相手先が利用しているかを確かめてください。利用している事業所は、WAM NETの利用事業所の検索ページで、地図から調べられます。

(参考:厚生労働省 老健局高齢者支援課「介護現場の生産性向上とケアプランデータ連携システム」)

利用に必要なもの

2026年12月までの現行のシステムは、事業所のパソコンに専用のアプリを入れて使います。アプリの名前は、連携クライアントアプリです。利用を始める前に、次の4つを確かめます。

必要なもの

確かめること

パソコン

Windows 11で、インターネットにつながること。ブラウザは Microsoft Edge か Google Chrome

介護ソフト

ケアプランデータ連携システムに対応していること。対応状況は介護ソフトの販売元に確認する

電子請求受付システムのユーザID

「KJ」から始まる14桁のユーザIDとパスワードが手元にあること

電子証明書

介護保険証明書または介護DX証明書を、事業所番号ごとにインストールすること

つまずきやすいのは、ユーザIDとパスワードです。国保連合会から届く「電子請求登録結果に関するお知らせ」に書かれています。書類が見つからないときは、電子請求受付システムのログイン画面から再発行の手続きができます。セキュリティ用メールアドレスを登録していない場合は、書類が郵送で届きます。届くまで数日から1週間ほどかかるので、早めに確かめておきます。

介護ソフトが担う範囲は「介護ソフトの基本機能」で解説しています。電子請求受付システムと電子証明書の準備は「国保連伝送(インターネット請求)の始め方」をご覧ください。

(参考:国民健康保険中央会「ケアプランデータ連携システム スタートガイド 導入フロー編」)

利用料とフリーパスキャンペーン

ライセンス料は、通常は年21,000円です。ただし、2025年6月1日から「フリーパスキャンペーン」が行われています。すべての介護事業所を対象に、ライセンス料を0円にするものです。このキャンペーンは、介護WEBサービスへの統合まで延長されています。統合後は、介護WEBサービスの機能の1つとして提供されます。そのため、利用料の負担はありません。

つまり、今から利用を始めても、移行後も、利用料はかかりません。ただし、介護ソフトの側で費用がかかる場合があります。対応のためのオプション契約や、バージョンアップの費用です。金額は製品によって違うので、介護ソフトの販売元に確認します。

(参考:国民健康保険中央会「フリーパスキャンペーン延長のお知らせ」、ケアプランデータ連携システム ヘルプデスクサポートサイト「よくあるご質問」)

2027年1月の介護WEBサービスへの移行で変わる点

介護WEBサービスは、介護情報基盤にある利用者の情報を扱うためのサービスです。介護に関する情報を見たり、情報をやり取りしたりできます。ケアプランデータ連携システムは、2027年1月(予定)にこのサービスへ統合されます。統合後は、「ケアプランデータ連携機能」として使う形になります。

項目

現行のシステム(移行まで)

介護WEBサービス(移行後)

使い方

パソコンに入れた専用のアプリから送受信する

ブラウザから使う。専用のアプリのインストールは要らない

使える端末

アプリを入れたパソコン

事業所内の複数の端末

利用料

通常は年21,000円(キャンペーン中は0円)

かからない

ライセンスの延長手続き

必要

不要

このほか、受信したデータを何度でもダウンロードできるようになると案内されています。

移行後は、介護WEBサービスに登録していない事業所とは、データを送受信できなくなります。自事業所の登録だけでなく、相手先の登録も済んでいるかを確かめておきます。なお、この登録は、市町村(保険者)が介護情報基盤に対応していなくても必要です。また、ケアプランデータ連携機能を使うだけなら、カードリーダーは要りません。

(参考:ケアプランデータ連携システム ヘルプデスクサポートサイト「引っ越し特設ページ」、国民健康保険中央会「ケアプランデータ連携システムの引っ越しに関するFAQ」)

2026年12月までに済ませる準備の手順

現在ケアプランデータ連携システムを使っている事業所は、次の順に準備します。準備の期間は、2026年7月から12月までです。直前は問い合わせ窓口が混み合うと案内されています。

  1. 電子請求受付システムのユーザIDとパスワードを確かめます。セキュリティ用メールアドレスの登録も確かめます。登録の途中で、このメールアドレス(またはSMS)にワンタイム認証コードが届きます。登録していないと、先へ進めません。
  2. ケアプランデータ連携システムの電子証明書が入っているパソコンを使います。そのパソコンで介護WEBサービスのサイトを開き、「事業所ユーザログイン」を選びます。電子請求受付システムのユーザIDとパスワードでログインします。電子証明書の入っていないパソコンでは、この手順では登録できません。
  3. ワンタイム認証コードを入力し、管理者ユーザを登録します。ログイン後に管理メニューの画面が表示されれば、登録は完了です。
  4. やり取りしている相手先の事業所に、介護WEBサービスへの登録が済んでいるかを確かめます。相手先が登録していないと、移行後に送受信できません。
  5. 移行までは、これまでどおり現行のシステムで送受信を続けます。介護WEBサービスのケアプランデータ連携機能が使えるのは、2027年1月の移行後からです。

これから利用を始める事業所には、2つの選び方があります。1つは、「利用に必要なもの」の4つをそろえて、現行のシステムに利用申請をする方法です。もう1つは、移行後に介護WEBサービスから始める方法です。どちらが早いかは、相手先の利用状況と介護ソフトの対応時期によって変わります。ヘルプデスクと介護ソフトの販売元に確認してください。

(参考:ケアプランデータ連携システム ヘルプデスクサポートサイト「引っ越し特設ページ」、厚生労働省「介護保険最新情報 Vol.1529」)

居宅介護支援の報酬との関係

2024年度の介護報酬改定で、居宅介護支援費(Ⅱ)を算定できる要件が改められました。新しい要件は「ケアプランデータ連携システムを活用し、かつ、事務職員を配置している場合」です。居宅介護支援費(Ⅰ)(ⅰ)は、取扱件数が45件未満の場合に算定します。件数は、介護支援専門員1人あたりで数えます。一方、居宅介護支援費(Ⅱ)(ⅰ)は、50件未満まで算定できます。

移行後に、この要件などの加算の取扱いがどうなるかは、厚生労働省が整理・検討中です。2026年10月時点では、示されていません。居宅介護支援費(Ⅱ)を算定している事業所は、「介護保険最新情報」を確かめてください。取扱いが示されたら、届出の内容を変える必要があるかを指定権者に確認します。

(参考:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」、国民健康保険中央会「ケアプランデータ連携システムの引っ越しに関するFAQ」)

まとめ

ケアプランデータ連携システムは、毎月の予定と実績をデータで送受信する仕組みです。印刷・送付・転記の作業を減らせます。2027年1月(予定)には、介護WEBサービスへ統合されます。利用中の事業所は、電子請求受付システムのユーザIDとパスワードの確認から始めます。2026年12月までに、介護WEBサービスへの登録を済ませてください。あわせて、やり取りの多い相手先にも、登録の状況を確かめます。

介護ソフトの入れ替えなどに使える補助金は、「介護テクノロジー導入支援事業と補助金・助成金」で扱っています。

参考