加算を届け出るときにそろえる書類は、3種類です。届出書、体制等状況一覧表、加算や体制ごとの添付書類です。どの添付書類が要るかは、届け出る加算ごとに通知で決まっています。自分のサービスの該当箇所を読めば、過不足なくそろえられます。
この記事では、届出時にそろえる書類、提出前の照合、処遇改善加算で別に必要な書類を扱います。算定を始めたあとに残す根拠書類も整理します(2026年10月時点)。提出先や電子申請など届出の流れは「介護加算の届出(体制届)の流れ」で解説しています。届出の期限と算定開始月の関係は「介護加算はいつから算定できるか」で確かめられます。
届出の 基本となる 3種類の 書類
届出書と体制等状況一覧表の記載方法と、添付させる書類は、厚生労働省の通知が定めています。「介護給付費算定に係る体制等に関する届出等における留意点について」(以下「留意点通知」)です。
書類 | 記載する内容 | 様式 |
|---|---|---|
介護給付費算定に係る体制等に関する届出書 | 届出者と事業所の状況、実施事業、異動等の区分(新規・変更・終了)、異動項目、変更の場合は変更前後の状況(特記事項) | 別紙2(指定事業者用) |
介護給付費算定に係る体制等状況一覧表 | 算定する加算や体制の項目 | 居宅サービス・施設サービス・居宅介護支援は別紙1-1、介護予防サービスは別紙1-2、地域密着型サービスは別紙1-3、総合事業は別紙1-4 |
添付書類 | 届け出る加算や体制の要件を満たしていることが分かる書類 | 加算や体制ごとに定められた別紙など |
届出書と一覧表はどの加算でも共通で、加算ごとに変わるのは添付書類です。様式は、厚生労働省の「令和8年度介護報酬改定について」のページにある最新のものを使います。ただし、指定権者が独自の様式や追加の書類を求めている場合があります。提出先の案内も、あわせて確認します。
(参考:留意点通知 第1・第2)
添付 書類の 決まり方と 探し 方
添付書類は、届け出る内容によって決まります。人員・設備・割引に関するものは、サービス共通です。加算ごとの届出書は、サービスごとに定められています。
届け出る内容 | 添付する書類 |
|---|---|
人員配置に関する届出 | 従業者の勤務の体制及び勤務形態一覧表(別紙7) |
設備に関する届出 | 平面図(別紙6) |
割引を「あり」とする届出 | 割引率の設定についての書類(別紙5、地域密着型サービスは別紙5-2) |
届出書の様式がある加算(例:サービス提供体制強化加算、認知症専門ケア加算、生活相談員配置等加算) | 加算ごとの届出書 |
通所介護の中重度者ケア体制加算・認知症加算 | 加算の届出書と、利用者の割合に関する計算書 |
通所介護の入浴介助加算 | 浴室部分の状況が分かる平面図等と、研修を実施した(または実施する)ことが分かる資料 |
人員配置の届出では、事業所で使っている勤務割表などを別紙7の代わりに添付できます。職種・勤務形態・氏名・勤務時間・職種ごとの配置状況が確認できる場合です。変更の届出では、変更後の予定勤務割表を使います。
別紙の番号は、サービスによって違います。たとえば、サービス提供体制強化加算に関する届出書は、訪問入浴介護では別紙14です。通所介護では、別紙14-3です。自分の事業所に要る書類を拾うときは、次の順に留意点通知を読むと漏れを防げます。
- 留意点通知の「第5 体制状況一覧表の記載要領について」から、自分のサービスの節を開きます。よくある失敗は、介護予防や地域密着型のサービスを、名前の似た居宅サービスの節で読むことです。
- 届け出る加算の項で、「添付させること」と書かれた書類を書き出します。よくある失敗は、加算の届出書だけを用意して、計算書や平面図などを落とすことです。
- 「1 各サービス共通事項」で、人員配置・設備・割引の届出にあたるものを探します。あれば、別紙7・別紙6・別紙5の要否を確認します。よくある失敗は、加算の要件に人員配置が含まれているのに、勤務形態一覧表を付けないことです。
(参考:留意点通知 第5の1・2・3・7)
提出前の 届出書と 一覧表の 照合
添付書類がそろったら、届出書と一覧表の記載が合っているかを照合します。
- 異動等の区分(1新規・2変更・3終了)が、今回の届出の内容と合っているか確かめます。よくある失敗は、前回の届出書を下敷きにして区分を直し忘れることです。
- 異動項目が、体制等状況一覧表で選んだ項目と同じ表記になっているか確かめます。留意点通知は、一覧表で選択した項目をそのまま記載するよう定めています。よくある失敗は、加算名を略して書くことです。
- 変更の届出では、特記事項に変更前と変更後の状況が書いてあるか確かめます。よくある失敗は、変更後の内容だけを書くことです。
- 添付書類が、一覧表で選んだ項目の分だけそろっているか確かめます。よくある失敗は、変更の届出に変更前の勤務割表を付けることです。
- 提出した一式の控えと、提出日が分かる記録を残します。算定を始められる月は届出の日付で決まるため、後から提出日を示せるようにします。
(参考:留意点通知 第2、第5の1)
処遇 改善 加算で 別に 必要な 計画書と 実績 報告書
介護職員等処遇改善加算は、体制等状況一覧表で区分を届け出ます。これに加えて、次の書類を指定権者(都道府県知事等)に提出します。
書類 | 様式 | 提出する場面 |
|---|---|---|
介護職員等処遇改善計画書 | 別紙様式2-1〜2-3 | その年度に初めて処遇改善加算を算定するとき |
実績報告書 | 別紙様式3-1・3-2 | 各年度の最終の加算の支払があったあと |
変更に係る届出書 | 別紙様式4 | 計画書の内容のうち、通知が定める事項に変更があったとき |
通知が定める事項には、法人の合併による作成単位の変更や、一括申請する事業所の増減があります。区分の変更や新規の算定、算定する区分が変わるキャリアパス要件の適合状況の変更なども含みます。就業規則の改訂だけの場合は、実績報告書とあわせて届け出ます。計画書と実績報告書は、根拠資料と併せて2年間保存します。
計画書の期限は「介護加算はいつから算定できるか」で解説しています。区分ごとの要件と実績報告の期限は「介護職員等処遇改善加算の区分と要件」で確かめられます。
(参考:厚生労働省 老発0313第6号「介護職員等処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年度分)」4・5)
算定 後に 残す 根拠 書類
運営指導の報酬請求指導では、主に届出によって算定している加算が確認されます。基準等に定められた算定要件にかかる文書等で、要件に適合しているかを見ます。勤務体制などの人員に関する文書は、人員が要件になっている加算や減算の確認に使えます。ただし、加算の多くは、要件ごとに必要な挙証資料が異なります。算定要件を一つでも満たしていなかった場合は、自己点検のうえ過誤調整を行うよう指導されます。
残しておく書類は、次のとおりです。
- 提出した届出書・体制等状況一覧表・添付書類の控え(提出日が分かるもの)
- 勤務体制の一覧表と勤務の実績(人員配置が要件になっている加算・減算の場合)
- 加算の要件に対応する記録(計画書、実施の記録、会議録、研修の記録、LIFEへの提出状況など。どれが要るかは加算ごとの要件で決まる)
- 処遇改善加算の計画書・実績報告書と根拠資料(2年間保存)
加算ごとに、要件、要件を示す書類、書類の置き場所を1つの表にまとめます。指導の前に、不足に気づけます。要件の調べ方は「介護加算の算定要件の調べ方」で解説しています。点検の進め方は「介護加算の自己点検のやり方」で確かめられます。加算は、利用者の自己負担にも反映されます。要件どおりのサービスを行ったことを記録で示せれば、利用者への説明の裏付けにもなります。
(参考:厚生労働省「介護保険施設等 運営指導マニュアル」Ⅰ 基本編 第2章 第3節・第3章 第2節、Ⅱ 実践編 第3章 第6節)
まとめ
加算の届出では、届出書・体制等状況一覧表・加算や体制ごとの添付書類をそろえます。算定後は、要件ごとの根拠書類を残します。出発点は、留意点通知の第5で自分のサービスの節を開くことです。届け出る加算の項に書かれた添付書類を書き出します。書類がそろったら、届出書と一覧表の記載を照合して提出し、控えと提出日の記録を残してください。処遇改善加算を算定する場合は、計画書の提出期限も並行して確認します。

