夜勤職員配置加算は、夜勤を行う介護職員・看護職員を、国が定める夜勤職員の基準の数より多く配置した特養(介護福祉施設サービス)が、1日につき算定する加算です。区分は(Ⅰ)〜(Ⅳ)とイ・ロの組み合わせで決まり、2026年9月時点の単位数は1日13〜33単位です。算定できるかどうかは暦月ごとの1日平均夜勤職員数で判断するため、勤務実績から毎月この数字を出せることが前提になります。この記事では、区分の見分け方、必要な夜勤職員数の数え方、見守り機器を使って上乗せ分を減らす場合の要件を扱います。

自施設の区分の見分け方

区分は、算定している基本サービス費(従来型かユニット型か)、入所定員、夜勤時間帯を通じて医療的ケアを行える職員を置くかどうかの3点で決まります。単位数は、2026年6月改定を反映した算定構造で確認できる値です。

区分

算定している基本サービス費

夜勤時間帯を通じた追加の配置

イ:入所定員30人以上50人以下

ロ:入所定員51人以上

(Ⅰ)

介護福祉施設サービス費(従来型)

求められない

1日22単位

1日13単位

(Ⅱ)

ユニット型介護福祉施設サービス費

求められない

1日27単位

1日18単位

(Ⅲ)

介護福祉施設サービス費(従来型)

看護職員または喀痰吸引等を行える介護職員を1人以上

1日28単位

1日16単位

(Ⅳ)

ユニット型介護福祉施設サービス費

看護職員または喀痰吸引等を行える介護職員を1人以上

1日33単位

1日21単位

(Ⅰ)〜(Ⅳ)は同時に算定できず、1つの区分を選びます。2018年3月31日までに指定を受けた施設は、イが入所定員31人以上50人以下、ロが30人または51人以上となる点に注意してください。(Ⅲ)(Ⅳ)は、(Ⅰ)(Ⅱ)の配置に加えて、夜勤時間帯を通じて看護職員または喀痰吸引等を行える介護職員(実地研修を修了した介護福祉士や認定特定行為業務従事者など)を1人以上置く区分です。介護職員を充てる場合は、施設が喀痰吸引等業務または特定行為業務の登録を受けていることも要件になります。

(参考:厚生労働省「指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準」(平成12年厚生省告示第21号)、厚生労働省「厚生労働大臣が定める夜勤を行う職員の勤務条件に関する基準」(平成12年厚生省告示第29号)第1号ハ・第5号ロ、厚生労働省「介護報酬の算定構造のイメージ(R8.6.1)」)

必要な夜勤職員数の数え方

加算に必要な夜勤職員の数は、夜勤職員の基準の数に1を加えた数以上です。従来型の基準の数は、入所者数(短期入所生活介護を併設している場合や空床を利用している場合は、その利用者数を合算した数)に応じて次のとおり決まっています。

入所者数(短期入所生活介護の利用者を合算)

夜勤職員の基準の数

加算に必要な数(見守り機器による緩和を使わない場合)

25人以下

1以上

2以上

26人以上60人以下

2以上

3以上

61人以上80人以下

3以上

4以上

81人以上100人以下

4以上

5以上

101人以上

4に、100人を超えて25人またはその端数を増すごとに1を加えた数以上

左の数に1を加えた数以上

ユニット型の基準の数は、2ユニットごとに1以上です。ユニット型の短期入所生活介護を併設している場合などは数え方が変わるため、告示で確認してください。

配置の数は、その日に勤務した人数ではなく「1日平均夜勤職員数」で比べます。夜勤時間帯(午後10時から翌日午前5時までを含む連続した16時間)の延夜勤時間数を、その月の日数に16を掛けた数で割り、小数点第3位以下を切り捨てて求めます。たとえば入所者80人の従来型の施設では基準の数が3なので、加算には1日平均4.00以上が必要です。30日の月で延夜勤時間数が1,950時間なら、1,950÷(30×16)=4.0625で、切り捨てると4.06となり要件を満たします。

毎月の確認は、次の順に進めます。

  1. 夜勤時間帯の確認:施設で定めている16時間の夜勤時間帯を確かめます。シフト上の夜勤の始業・終業時刻をそのまま夜勤時間帯と取り違えないようにします。
  2. 基準の数の確認:その月の入所者数と区分から、基準の数と加算に必要な数を出します。併設や空床利用の短期入所生活介護の利用者を合算し忘れるのがよくある失敗です。
  3. 延夜勤時間数の集計:勤務実績から、夜勤時間帯に含まれる勤務時間を職員ごとに合計します。予定のシフト表で集計し、欠勤や交代を反映しないまま判断しないようにします。
  4. 1日平均夜勤職員数との比較:計算した値を加算に必要な数と比べます。四捨五入せず、小数点第3位以下を切り捨てます。
  5. (Ⅲ)(Ⅳ)の配置の確認:(Ⅲ)(Ⅳ)を算定する場合は、夜勤時間帯を通じて看護職員などが1人以上いたかを日ごとに確かめます。この配置は月の平均ではなく毎日求められるため、1日平均の数だけで判断しないようにします。

勤務実績の集計をシステムで行う場合の選び方は、「介護施設向けシフト管理システムの選び方|比較の7項目と試験導入・見積もりの確認点」で解説しています。算定の開始月や、要件を満たさなくなったときの届出の扱いは、指定権者(都道府県・指定都市・中核市)の案内で確認してください。

(参考:厚生労働省「厚生労働大臣が定める夜勤を行う職員の勤務条件に関する基準」(平成12年厚生省告示第29号)第1号ロ・第5号、厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(短期入所サービス及び特定施設入居者生活介護に係る部分)及び指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」(平成12年3月8日老企第40号))

見守り機器を使う場合の上乗せ数と要件

見守り機器を使い、告示の要件を満たす場合は、基準の数に上乗せする数を1より少なくできます。ここでいう見守り機器は、利用者がベッドから離れようとしている状態や離れたことを感知できるセンサーで、その情報を外部通信機能により職員に通報できるものです。

基準の数に上乗せする数

見守り機器の設置数

その他の主な要件

1以上(通常)

求められない

求められない

0.9以上

入所者数の10分の1以上

委員会を設置し、3月に1回以上開く

0.6以上(従来型で、夜勤職員の基準の数を見守り機器等により0.8倍としている場合は0.8以上)

夜勤時間帯を通じて入所者数以上

夜勤を行う全ての介護職員・看護職員が情報通信機器を使う。委員会で安全体制とケアの質の確保・職員の負担軽減の取組を定期的に確認する。職員研修と3月以上の試行期間を経て届け出る

表の委員会は、利用者の安全並びに介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会で、テレビ電話装置等を使って開くこともできます。0.6の場合、委員会には管理者だけでなく実際に夜勤を行う職員を含む幅広い職種やユニットリーダーなどが参加し、夜勤を行う職員の意見を尊重するよう努めることとされています。委員会では、居室への個別の訪問が必要な入所者への訪問とケア、夜勤を行う職員の負担軽減と勤務状況への配慮、見守り機器等の定期的な点検、機器を安全かつ有効に使うための職員研修の実施を確かめます。研修には、機器の使い方の講習に加えて、ヒヤリ・ハット事例の周知と再発防止策の実習などを含めます。

0.6で算定するまでの流れも決まっています。3月以上の試行期間を設け、その間は通常の要件(上乗せ1以上)を満たしたまま委員会で人員体制と職員の負担を検討します。安全体制とケアの質の確保、職員の負担軽減が図られていることを確かめたうえで「テクノロジーの活用」に係る届出をし、そのときに委員会の議事概要を提出します。試行期間が終わる前に上乗せを0.6に減らしてしまうのがよくある失敗なので、届出の時期から逆算して機器の導入と委員会の開始日を決めてください。

見守り機器の種類と仕組みは「見守りシステムとは|検知・通知・記録の3要素と見守りセンサーとの違い」、職員同士の連絡に使うインカムは「介護施設のインカム導入の目的|職員間の連絡で解決できる課題と試用前の確認点」で解説しています。同じ名称の委員会は生産性向上推進体制加算でも要件になっているため、あわせて検討する場合は「生産性向上推進体制加算の要件|(Ⅰ)(Ⅱ)の違いと導入前調査・実績報告の準備」も参照してください。

(参考:厚生労働省「厚生労働大臣が定める夜勤を行う職員の勤務条件に関する基準」(平成12年厚生省告示第29号)第1号ロ(1)(一)f・第5号ロ、厚生労働省「指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」(老企第40号)令和6年度改正の新旧対照表)

まとめ

特養の夜勤職員配置加算は、区分ごとの夜勤職員の基準の数に1(見守り機器を使う場合は0.9または0.6など)を加えた数以上を、暦月の1日平均夜勤職員数で配置できていれば算定できます。出発点は、前月の勤務実績から1日平均夜勤職員数を計算し、自施設の区分に必要な数と比べることです。満たしていれば指定権者への届出を準備し、見守り機器で上乗せを減らしたい場合は、委員会の立ち上げと3月以上の試行期間を計画に入れてください。夜勤帯の配置が安定すれば、入所者は夜間も必要なときに職員の対応を受けやすくなります。なお、地域密着型特養、短期入所生活介護、介護老人保健施設の夜勤職員配置加算は区分と単位数が異なるため算定構造で確認し、特養のほかの加算は「特養(介護老人福祉施設)の加算一覧|4系統の主な加算・減算と単位数(2026年9月時点)」で確認してください。

参考