科学的介護推進体制加算でLIFEに提出する項目は、2つの様式で決まっています。別紙様式1(通所・居住サービス)と、別紙様式2(施設サービス)です。基本情報、ADL、口腔の状態、認知症の項目は、どの区分でも必須です。施設サービスでは栄養と褥瘡が、施設の(Ⅱ)では診断名などが加わります。

この記事で扱うLIFEの入力項目は、科学的介護推進体制加算の様式の項目です。ほかのLIFE関連加算の様式は扱いません。ほかの加算は「LIFEへの提出が必要な加算の一覧」から確かめてください。

自事業所の区分で必須になる項目を先に押さえておけば、評価の担当と時期を決めやすくなります。同じ基準で評価を続ければ、利用者の状態の変化をフィードバックで追えます。

以下では、区分ごとの必須・任意と、評価のしかたを整理します。把握できない項目の扱いと、入力前の準備も扱います(2026年10月時点)。LIFEの運営は、2026年5月11日に国保中央会へ移りました。提出する様式情報は変わっていません。算定要件と提出の期限は「科学的介護推進体制加算の算定要件」で解説しています。

(参考:介護保険最新情報Vol.1495 問2)

区分ごとの必須項目と任意項目

提出する項目は、老老発0315第4号の別紙様式1・2で決まっています。2024年7月2日の介護保険最新情報Vol.1285で、一部が訂正されました。厚生労働省の説明会資料の整理に沿うと、区分ごとの必須・任意は次のとおりです。

項目

施設(Ⅰ)

施設(Ⅱ)

通所・居住

基本情報(要介護度・自立度・評価日など)

必須

必須

必須

ADL(Barthel Index)

必須

必須

必須

サービス利用終了理由

終了時に必須

終了時に必須

終了時に必須

身長・体重

必須

必須

必須

口腔(義歯・むせ・歯の汚れ・歯肉)

必須

必須

必須

栄養(低栄養リスクなど7項目)

必須

必須

様式に項目なし

褥瘡

必須

必須

様式に項目なし

認知症の診断と生活・認知機能尺度

必須

必須

必須

Vitality Index

意思疎通のみ必須

意思疎通のみ必須

意思疎通のみ必須

診断名

任意

必須

任意

服薬情報

任意

老健・介護医療院は必須

任意

緊急入院・家族の状況・DBD13・ICFステージング

任意

任意

任意

施設サービスは、別紙様式2を使います。介護老人福祉施設、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護、介護老人保健施設、介護医療院です。それ以外の対象サービスは(Ⅰ)(Ⅱ)の区分がなく、別紙様式1を使います。基本情報の必須項目は5つです。要介護度、障害高齢者の日常生活自立度、認知症高齢者の日常生活自立度、評価日、評価時点です。栄養の7項目のうち4つは、低栄養状態のリスクレベル、栄養補給法、食事形態、とろみです。残りは、食事摂取量、必要栄養量、提供栄養量です。Vitality Indexは、意思疎通だけが必須です。起床・食事・排せつ・リハビリ・活動は任意です。DBD13は、認知症の診断または疑いがある場合に評価する13項目の様式です。

施設サービスの(Ⅱ)で加える項目は、Vol.1285で訂正されました。2024年3月の通知では、一律に「診断名・服薬情報」とされていました。現在は、施設の種類で2通りです。介護老人福祉施設と地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護は、診断名を加えます。介護老人保健施設と介護医療院は、診断名と服薬情報を加えます。いずれも、(Ⅰ)の提出情報に加えて提出します。任意項目も、必要に応じて提出することが望ましいとされています。

自事業所の列で「必須」の行を拾い、評価の担当と時期を決める一覧の元にするとよいでしょう。施設の(Ⅱ)を算定するなら、診断名や服薬情報を毎回そろえられるかも確かめておきます。

(参考:老老発0315第4号 第2の1(2)・別紙様式1〜4、介護保険最新情報Vol.1285、「LIFE第1回説明会 基礎編」)

日常生活自立度の評価者

障害高齢者と認知症高齢者の日常生活自立度は、基本的に事業所・施設の職員が評価します。評価する人の資格や職種に決まりはありません。ただし、多職種での評価が望ましいとされています。医師の判断結果、主治医意見書、認定調査員の判定を、必ず使う必要はありません。評価の参考にすることは差し支えありません。参考にする場合も、評価日時点の本人の状態に合っているかを職員で確かめてから入力します。

(参考:「LIFE第1回説明会 よくあるお問い合わせ編」)

ADL(Barthel Index)の評価のしかた

ADLは、Barthel Indexの10項目で評価します。項目は、食事、椅子とベッド間の移乗、整容、トイレ動作、入浴です。平地歩行、階段昇降、更衣、排便コントロール、排尿コントロールもあります。合計は0〜100点で、点数が高いほど動作の自立度が高いことを示します。

科学的介護推進体制加算では、各動作が「できる」かどうかを評価します。普段の状況を踏まえ、必要に応じて利用者に実際に動作をしてもらいます。食事や入浴など、実際の場面で評価するのが望ましいとされています。ただし、聞き取りでもかまいません。一方、リハビリテーションマネジメント加算などでは「している」状況を評価します。同じ利用者でも、加算によって評価の視点が違う点に注意が必要です。項目ごとの配点は「Barthel Indexの10項目と配点」で解説しています。

(参考:「LIFE第1回説明会 基礎編」、老老発0315第4号 別紙様式1・2)

生活・認知機能尺度の評価のしかた

生活・認知機能尺度は、認知機能と生活機能をみる指標です。全項目の合計点を算出し、認知機能が高い利用者ほど得点が高くなります。おおむね最近1週間の様子から、当てはまる選択肢を選びます。具体的な場面を見る機会がない項目は、その状況にあると仮定して答えます。どの職種が評価してもかまいません。本人の様子をよく知る職員が評価することが望ましいとされています。質問は次の7つで、それぞれ1〜5点の選択肢から選びます。

  • 身近なものを置いた場所を覚えているか
  • 日常的な出来事を、どのくらいの期間覚えているか
  • 現在の日付や場所などをどの程度認識できるか
  • 伝えたいことを会話で伝えられるか
  • 一人で服薬できるか
  • 一人で着替えられるか
  • テレビやエアコンなどの電化製品を操作できるか

服薬していない場合や、介護者が先に薬を準備している場合は、実際の能力が分かりません。この場合は、一人で服薬する場合を想定して評価します。電化製品の操作は、テレビがなければエアコンで評価します。いずれもなければ、電子レンジやラジオなどで評価します。このように、質問ごとに様式に注記があります。評価者は、別紙様式3の注記を読んでから評価します。

(参考:「LIFE第1回説明会 基礎編」、老老発0315第4号 別紙様式3)

提出しなくてよい箇所と把握できない項目の扱い

様式にある記入者名や自由記載の箇所などは、LIFEへの提出を求められていません。生年月日など原則として更新がない基本情報は、LIFEに登録した利用者情報から連携されます。

必須の項目でも、やむを得ない場合は空欄で提出できます。説明会資料は、空欄で提出して差し支えない場面を2つ挙げています。1つは、利用者のアセスメントを行えない状態で、把握できない項目がある場合です。もう1つは、薬を処方されていない利用者の服薬情報です。

やむを得ない場合の例も、説明会資料に挙げられています。評価予定日より前の緊急入院や、状態の急な悪化で体重などを測れなかった場合です。システムの不具合などで提出できなかった場合も含みます。いずれも、提出が困難だった理由を介護記録等に書いておく必要があります。

LIFEの画面の「原則必須」は、加算の算定のために提出が定められている項目を指します。国保中央会運用LIFEでも、原則必須の項目は入力しなくても様式を登録できます。未入力の項目があると、登録のときに確認画面が表示されます。空欄のまま登録するときは、理由を記録したかを確かめてから進めます。

(参考:老老発0315第4号 第2、「LIFE第1回説明会 よくあるお問い合わせ編」、国保中央会運用LIFE「操作説明書(様式情報入力編)」4.1)

入力を始める前の準備

入力を始める前に、次の順で準備します。

  1. 自事業所が施設サービスかどうかを確かめます。施設サービスなら、(Ⅰ)と(Ⅱ)のどちらを算定するかも確かめ、必須項目の一覧を作ります。(Ⅱ)の服薬情報は、施設の種類で必須かどうかが分かれます。Vol.1285の訂正後の内容で確かめます。
  2. 項目ごとに、評価する職員と評価の場面を決めます。評価の基準は、「ケアの質の向上に向けた科学的介護情報システム(LIFE)利活用の手引き」でそろえます。厚生労働省のADL評価マニュアル動画も使えます。職員ごとの解釈で点数が変わらないようにします。
  3. 施設サービスでは、栄養と褥瘡の値を、記録を持つ職員から集める段取りを決めます。評価日から離れた古い値をそのまま使わないよう、評価日に合わせて集めます。
  4. 把握できない項目や処方のない服薬情報を空欄で出すときの扱いを決めます。空欄にした理由を、介護記録等に残す手順にします。理由を残していないと、後から確認されたときに説明できません。
  5. 介護記録ソフトからのCSV取込か、LIFEへの直接入力で登録します。提出期限(対象月の翌月10日)より前に、提出状況を確かめます。期限の直前にまとめて入力すると、エラーの修正が間に合わないことがあります。操作の流れは「LIFEのデータ提出方法」で解説しています。期限の数え方は「LIFEの提出期限」で確かめられます。

(参考:「LIFE第1回説明会 基礎編」、「科学的介護情報システム(LIFE)について」)

まとめ

LIFEの入力項目は、基本情報・ADL・口腔・認知症がどの区分でも必須です。施設サービスでは栄養と褥瘡、施設の(Ⅱ)では診断名が加わります。老健と介護医療院は、服薬情報も加わります。出発点は、自事業所の区分の列から必須項目を拾うことです。項目ごとの評価者と評価の場面も決めます。次に、把握できない項目を空欄で出すときの記録のしかたを決めます。提出期限より前に入力を終える日程も組んでください。同じ基準で評価を続ければ、利用者一人ひとりの状態の変化を追いやすくなります。

参考