LIFEへのデータ提出は、利用者情報の登録、様式情報の入力、「確定」の確認の順に進めます。入力の方法は2つです。介護ソフトから出力したCSVファイルの取込か、LIFEの画面への直接入力です。様式が「確定」と表示されていれば、提出は完了しています。
提出が漏れると、LIFEへの提出を要件とする加算を算定できなくなるおそれがあります。手順とつまずきやすい点を押さえておけば、期限の直前に慌てずに済みます。利用者の状態を、同じ物差しで記録し続けることにもつながります。
この記事では、2026年5月からのLIFEの前提、提出の流れ、「確定」の確認を扱います。エラーが出たときの問い合わせ先、利用者情報の誤りと変更への対応も整理します。把握できない項目と提出漏れの扱いにも触れます(2026年10月時点)。LIFEの仕組みそのものは「科学的介護とは・LIFEとは」で解説しています。
2026年 5月からの LIFEの 前提
LIFEは2026年5月11日から、公益社団法人国民健康保険中央会(国保中央会)が運用しています。それまでは、厚生労働省が運用していました。提出する様式情報に変更はなく、提出先が国保中央会運用LIFEになりました。厚生労働省のLIFEへは、2026年8月1日以降は提出できません。サービスの停止日は、2026年9月1日と案内されていました。いま厚生労働省のページが案内しているLIFEは、国保中央会運用LIFEだけです。
国保中央会運用LIFEには、電子証明書をインストールした端末でなければログインできません。電子証明書は、介護保険証明書または介護DX証明書です。初回ログインには、介護電子請求受付システムのIDとパスワードが要ります。利用者情報は、LIFEのサーバ上に保持されます。そのため、これまでのようなバックアップファイルの受け渡しは不要になりました。
移行で引き継がれたのは、アカウントのID・パスワードと事業所情報だけです。利用者情報は、国保中央会運用LIFEで登録し直す必要がありました。厚生労働省のLIFEにすでに提出した様式情報を、出し直す必要はありません。移行作業を終えていない事業所は、LIFE関連加算の算定要件を満たさないとされています。7月サービス提供分以降が対象です。心当たりがある場合は、国保中央会運用LIFEのヘルプデスクに対応を確認します。指定権者(都道府県・市町村)にも確認してください。
新しくLIFEを使う事業所は、国保中央会運用LIFEのホームページで新規利用申請を行います。加算の側から見た準備は「科学的介護推進体制加算の算定要件」で解説しています。
(参考:介護保険最新情報Vol.1484、Vol.1495(問2・問4)、令和8年6月18日事務連絡、令和8年7月2日事務連絡、厚生労働省「科学的介護情報システム(LIFE)について」)
提出の 流れ
提出は次の順に進めます。1〜2は、初めて使うときと利用者が増えたときの作業です。3〜6は、加算ごとに決められた提出月ごとに行います。
- 利用環境の準備:パソコンとインターネット回線を用意します。LIFEを使う端末には、電子証明書を入れます。事業所管理者が管理ユーザーを設定し、管理ユーザーが操作職員を登録します。LIFEの登録に費用はかかりません。管理ユーザーとは別の端末で操作職員が入力する場合は、その端末にも電子証明書が必要です。入れ忘れるとログインできません。
- 利用者情報の登録:利用者ごとの情報を、サービスの利用開始などに合わせてその都度登録します。保険者番号・被保険者番号などは、誤って登録するとあとから変更できません。登録前に被保険者証と照らし合わせます(誤ったときの対応は後の節で説明します)。
- 評価と記録:加算ごとの提出月に合わせて、ADLなどを評価し、介護記録に残します。提出月を利用者ごとに管理しておかないと、利用開始月や利用終了月の評価が抜けやすくなります。入力項目と評価のしかたは「LIFEの入力項目」で解説しています。
- 様式情報の入力:介護ソフトから出力したCSVファイルを取り込みます。LIFEの画面に直接入力する方法もあります。CSV取込でエラーが出たときは、先に介護ソフトの仕様を疑います(後の節を参照)。
- 登録による「確定」:入力した様式を登録して「確定」にします。一時保存のままの様式は「作成中」と表示され、提出は完了していません。
- 期限前の確認:提出期限は、提出月の翌月10日です。期限の数日前に、対象の利用者全員の様式が「確定」になっているかを一覧で確かめます。期限の数え方は「LIFEの提出期限」で詳しく扱っています。
この流れの根拠は2つです。厚生労働省の2025年11月・12月の説明会資料と、移行に関する事務連絡です。国保中央会運用LIFEの画面の細かな表示や操作は、操作マニュアルで確認してください。
(参考:「LIFE第1回説明会 基礎編」、令和8年7月2日事務連絡、老老発0315第4号、国保中央会運用LIFE「操作マニュアル一覧」)
提出できたかは 「確定」の 表示で 確認
様式情報のステータスには「確定」と「作成中」の2つがあります。
ステータス | 意味 | 提出の状態 |
|---|---|---|
確定 | 登録を行った様式情報 | 提出が完了している |
作成中 | 一時保存した様式情報 | 提出は完了していない |
入力を終えたつもりでも「作成中」のままなら、提出したことになりません。提出月ごとに、利用者の一覧で「作成中」が残っていないかを確かめます。残っていれば、内容を見直して登録します。
(参考:「LIFE第1回説明会 よくあるお問い合わせ編」、国保中央会運用LIFE「操作説明書(様式情報入力編)」4.1)
エラーや 操作で 困ったときの 問い合わせ先
CSVファイルを取り込んだときのエラーは、介護ソフトの仕様が原因のことがあります。厚生労働省の説明会資料は、次の場合は介護ソフト会社に問い合わせるよう案内しています。
- 「外部データ取込」でCSVを取り込むと、「データの形式が正しくありません」と表示される
- 「外部データ取込」でCSVを取り込むと、「ファイルが存在していません」と表示される
- 取り込んだ様式が「確定」にならない
困りごとの種類ごとの確認先は次のとおりです。
困っていること | 確認・問い合わせ先 |
|---|---|
CSV取込でエラーが出る | 使っている介護ソフトの会社 |
LIFEの操作が分からない | 操作マニュアル、次にLIFEヘルプデスク |
電子証明書やログインIDのこと | 介護情報基盤ポータル |
加算の算定要件 | 厚生労働省の通知・Q&A |
事業所固有の事情での判断 | 所管の保険者 |
LIFEヘルプデスクの窓口は、国保中央会運用LIFEの「お問い合わせの方へ」です。電話での問い合わせは受け付けていません。介護ソフトの会社には、表示されたエラーの文言と、取り込んだ様式の種類を伝えます。介護ソフト側のLIFE対応の見方は「介護ソフトの基本機能」も参考になります。
服薬情報のCSV取込では、薬品コードのエラーが出ることがあります。「データ項目「薬品コード」にマスタデータに存在しない値が設定されています」という表示です。原因は、LIFEと介護ソフトの薬剤マスタの更新時期のずれです。説明会資料によると、LIFEの薬剤マスタは半年に1回更新されます。エラーが出た薬剤は入力せずに、期限までに提出します。マスタの更新後に入力できるようになった薬剤は、以降の提出から登録します。過去に提出した分を入力し直す必要はありません。
(参考:「LIFE第1回説明会 基礎編」「よくあるお問い合わせ編」、令和8年6月18日事務連絡)
利用者 情報の 誤りと 変更への 対応
LIFEは、4つの項目を結び付けて1人の利用者を特定しています。保険者番号、被保険者番号、事業所番号、サービス種類です。1つでも誤りや変更があると、同一人物として判別できなくなります。そのため、この4項目はLIFE上で変更できません。次の場合は、正しい情報または変更後の情報で利用者情報を新たに登録し、データを提出します。
- 被保険者番号を誤って登録した
- 利用するサービス種類が変わった(例:通所リハビリテーションから介護老人保健施設)
- 要支援から要介護に、または要介護から要支援に変わった
要支援と要介護が切り替わった場合は、データの登録し直しも必要です。要介護度が確定する前に登録したデータが対象です。確定後に登録した新しい利用者情報に紐づけて、登録し直します。
国保中央会運用LIFEには、利用者情報を被保険者証の情報と照合する機能が加わりました。照合するのは、保険者番号・被保険者番号・生年月日・性別です。保険者が介護情報基盤に対応していれば、この機能が働きます。照合は、画面入力とCSV取込のどちらでも行われます。登録時に誤りの指摘が出たら、被保険者証と見比べて直します。4項目の扱いは、2025年の説明会資料に基づく内容です。国保中央会運用LIFEでの具体的な操作は、操作マニュアルで確かめてください。
(参考:「LIFE第1回説明会 よくあるお問い合わせ編」、介護保険最新情報Vol.1484)
把握できない 項目と 提出 漏れの 扱い
LIFEの画面で「原則必須」と表示される項目でも、やむを得ない場合は空欄で提出できます。アセスメントできずに把握できない項目や、薬を処方されていない利用者の服薬情報などです。空欄にできる場面と記録の残し方は、「LIFEの入力項目」で解説しています。栄養関連の項目にも、同じ考え方の扱いがあります。食事を提供していない場合などは、事業所で把握できない項目の提出は求められません。「食生活状況等」と「多職種による栄養ケアの課題(低栄養関連問題)」の項目です。
提出後に入力漏れが見つかったときは、速やかに正しいデータを提出します。提出していない利用者がいたときも、速やかに提出します。提出が遅れた利用者は、理由を介護記録等に残しておきます。あとで確認されたときに説明できるようにするためです。期限を過ぎた場合に算定がどうなるかは、加算ごとの要件によります。迷うときは、指定権者に確認してください。
(参考:「LIFE第1回説明会 よくあるお問い合わせ編」)
まとめ
LIFEへの提出は、国保中央会運用LIFEで行います。利用者情報を登録し、様式情報を入力して「確定」にします。提出月の翌月10日までに、全員分が「確定」になっているかを確かめて完了します。出発点は、LIFEを使う端末に電子証明書が入っているかの確認です。利用者全員の情報が、国保中央会運用LIFEに登録されているかも確かめます。そのうえで、利用者ごとの提出月の一覧を作ります。期限の数日前に、「作成中」が残っていないかを確かめる日も決めてください。エラーが出たら、表示された文言をもとに問い合わせます。問い合わせ先は、介護ソフトの会社かLIFEヘルプデスクです。提出が途切れずに続けば、フィードバックで利用者の状態の変化を職員で共有できます。ケアの見直しにも生かしやすくなります。
参考
- 厚生労働省「科学的介護情報システム(LIFE)第1回説明会 基礎編」(令和7年11月26日・12月2日実施)
- 厚生労働省「科学的介護情報システム(LIFE)第1回説明会 よくあるお問い合わせ編」(令和7年11月26日・12月2日実施)
- 厚生労働省「科学的介護情報システム(LIFE)関連加算に関する基本的な考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」(令和6年3月15日老老発0315第4号)
- 厚生労働省 介護保険最新情報Vol.1484「科学的介護情報システム(LIFE)の運営主体の移管に係る周知について」(令和8年3月23日)
- 厚生労働省 介護保険最新情報Vol.1495「LIFEの厚生労働省から公益社団法人国民健康保険中央会への移管に伴い事業所・施設で必要な対応について」(令和8年4月21日)
- 厚生労働省 事務連絡「公益社団法人国民健康保険中央会運用LIFEへの移行に係る再度の周知について」(令和8年6月18日)
- 厚生労働省 事務連絡「公益社団法人国民健康保険中央会運用LIFEへの移行に係る再周知について」(令和8年7月2日)
- 厚生労働省「科学的介護情報システム(LIFE)について」
- 国保中央会運用LIFE(科学的介護情報システム)ホームページ
- 国保中央会運用LIFE「操作マニュアル一覧」
- 国保中央会運用LIFE「操作説明書(様式情報入力編)」第1版(令和8年4月27日)

