介護請求の締め日は、サービスを提供した月の翌月10日です。9月分は10月10日、10月分は11月10日までに請求します。請求先は審査支払機関で、多くの場合は国保連です。10日を過ぎると、翌月の受付として扱われる場合があります。その分だけ入金が遅れます。
この記事では、期限の根拠と伝送の到達時点を扱います。10日が土日・祝日のときの受付と、期限を過ぎたときの扱いも整理します。期限から逆算した月次の段取りも示します(2026年10月時点)。
請求 期限の 根拠となる 省令の 規定
根拠は、「介護給付費及び公費負担医療等に関する費用等の請求に関する命令」(以下、請求省令)です。第3条第1項は、請求を各月分について翌月10日までに行わなければならないと定めています。対象は、介護給付費等と総合事業費(審査支払機関を通じて請求するもの)です。
請求先の審査支払機関は、制度上は市町村です。ただし、市町村が審査・支払の事務を国保連に委託している場合は別です。国保連が審査支払機関になり、事業所は国保連に請求します。国保連が請求先になる仕組みは「介護請求とは」で解説しています。
(参考:請求省令 第1条第3項・第3条第1項)
伝送の 請求が 「到達」したとみなされる 時点
請求省令第3条第2項は、伝送(電子情報処理組織)による請求の到達時点を定めています。審査支払機関の電子計算機のファイルに記録された時に、到達したものとみなされます。基準は、送信の操作をした時点ではありません。10日の終業間際に送信しても、エラーで記録されなければ到達したことになりません。送信したあとは、請求ソフトで送信結果を受信します。受け付けられたことまで確かめてください。
なお、この規定は伝送による請求が対象です。光ディスク等を郵送で提出する場合は、10日必着とする国保連もあります。
(参考:請求省令 第3条第2項、大阪府国民健康保険団体連合会「請求期間・方法等」)
受付 時間と 10日が 休日の 場合の 扱い
請求省令が定めるのは、「翌月10日まで」という期限だけです。受付の時間帯や、10日が土日・祝日にあたる場合の扱いは、国保連ごとに案内されています。たとえば大阪府国保連は、伝送を24時間受け付けています。ただし、午前3時から5時までは、設備の保守のため受付不可です。10日が土日・祝日でも受付を行うとしています。東京都国保連は、10日が土日・祝日の場合も受付会場を開設すると案内しています。
請求先の国保連のサイトで、受付時間と休日の扱いを確かめ、社内の日程表に書き込みます。案内は変わることがあるため、年度の初めなどに見直すと確実です。
(参考:大阪府国民健康保険団体連合会「請求期間・方法等」、東京都国民健康保険団体連合会「受付日程・提出方法について」)
10日を 過ぎた 請求と 請求の 時効
東京都国保連は、10日を過ぎて受け付けた請求は翌月受付の扱いになると案内しています。その場合、審査と支払は受付月に合わせた日程になり、入金もその分遅れます。
一方で、期限を過ぎても請求できなくなるわけではありません。厚生労働省の事務連絡は、介護報酬の請求が2年で時効になるとしています。根拠は、介護保険法第200条第1項です。事業者が受け取る介護報酬は、被保険者を代理して受領する構成だからです。東京都国保連は、介護給付費の時効の起算日を案内しています。「サービス提供月の翌々々月の1日」です。この期間内であれば、後の月に請求できます(いわゆる月遅れ請求)。総合事業費は扱いが異なり、同じ案内では5年とされています。未請求の月の分があれば、国保連の案内で時効の期限を確かめ、早めに請求してください。
(参考:介護保険法 第200条第1項、厚生労働省老健局介護保険課・老人保健課 事務連絡「介護給付費請求書等の保管について」(平成13年9月19日)、東京都国民健康保険団体連合会「受付日程・提出方法について」「請求時効について」)
「締め日」が 指す 3つの 日付の 区別
事業所で「締め日」と言うとき、指す日付が人によって違うことがあります。次の3つです。請求省令が定めるのは、このうち審査支払機関への請求期限だけです。
締め日の種類 | 決めるもの | 日付 |
|---|---|---|
事業所内の実績の締め | 事業所 | 事業所ごとに決める日(月末など) |
審査支払機関への請求期限 | 請求省令第3条第1項 | サービスを提供した月の翌月10日 |
利用者負担分の請求日と支払期日 | 利用者との契約 | 契約で定めた日 |
社内では、「締め日」とだけ言わないようにします。「実績の締め」「国保連への請求期限」のように呼び分けて共有すると、日程の認識がずれません。
10日から 逆算する 月次の 段取り
期限から逆算して、月ごとの作業を次の順に並べます。
- 月末:利用実績を確定します。月の途中で変わったサービス内容を、反映し忘れないようにします。
- 月初:請求データを作り、提出前に点検します。前月のデータを複製したまま、今月の変更を反映しない失敗に気をつけます。
- 目標提出日(例:7日):伝送し、送信結果を受信します。送信の操作で終わりにせず、受け付けられたことを確かめます。
- 目標提出日から10日まで:エラーの修正と再送信にあてる予備日にします。10日を提出日にすると、エラーが出たときに直す時間が残りません。
目標提出日の「7日」は、予備日を確保するための例です。制度上の定めではありません。請求件数や国保連の受付時間に合わせて決めてください。また、請求の担当者が1人だけだと、月初に休んだときに請求が止まります。伝送の操作と送信結果の確認ができる代行者を決めておきます。各段階で確かめる点は「介護請求の流れ」で解説しています。提出前の点検の観点は「介護報酬の請求ミスを防ぐ点検項目」にまとめています。
まとめ
介護請求の締め日は、各月分について翌月10日です。伝送は、ファイルに記録された時点で到達したとみなされます。まず、請求先の国保連が案内する受付時間と休日の扱いを確かめます。そのうえで、10日より前に目標提出日と再送信の予備日を置きます。実績の締めを月末にそろえておけば、利用者負担分の請求も同じ実績から作れます。利用者に届く請求書の誤りも減らせます。次の月の請求までに、社内の日程表へ3つの日付を書き分けて共有してください。「実績の締め」「目標提出日」「国保連への請求期限」です。

