介護請求ソフトの「国保連対応」は、単に伝送機能が付いているかどうかだけでなく、制度上のルールに沿って運用できるかどうかで確認する必要があります。結論として、介護給付費等の請求は、電子情報処理組織(伝送)または光ディスク等による方法が原則であり、開始時の届出や毎月の請求期限といった運用ルールが定められています。

この記事では、根拠となる命令の内容に沿って、介護請求ソフトを選ぶ・使い始める際に確認しておきたい点を整理します。

介護給付費の請求は、電子情報処理組織(伝送)または光ディスク等が原則

介護給付費等の請求方法は、厚生労働省令「介護給付費及び公費負担医療等に関する費用等の請求に関する命令」で定められています。この命令における「電子情報処理組織」とは、国民健康保険団体連合会(国保連)の電子計算機と、事業者側の入出力装置を電気通信回線で接続した仕組み、つまり一般に「伝送」と呼ばれる方法を指します。

  • 電子情報処理組織(伝送):インターネット回線を通じて請求データを国保連へ送信する方法

  • 光ディスク等:定められた規格に適合する記録媒体を国保連へ提出する方法

(出典:介護給付費及び公費負担医療等に関する費用等の請求に関する命令 第1条・第2条)

紙の請求書をそのまま国保連へ提出する方法は、原則として認められていません。介護請求ソフトを選ぶ際は、この2つの方法のどちらか(多くの製品では伝送)に対応していることが前提になります。

書面による請求は、限定的な経過措置の対象事業者に限られる

同命令の附則では、電子情報処理組織または光ディスク等による請求を行うことが特に困難と認められる事業者などを対象に、届出を行うことで書面による請求を認める経過措置が設けられています。ただし、この届出の受付は平成30年3月31日で終了しており、現在新たに書面請求を選べるわけではありません。

(出典:介護給付費及び公費負担医療等に関する費用等の請求に関する命令 附則第2条・第3条)

これから介護請求ソフトを導入する事業所は、伝送または光ディスク等による請求が前提になると考えてください。

国保連伝送を始める・変更するときは、事前の届出が必要

同命令第4条では、請求事業者が電子情報処理組織または光ディスク等による請求を開始しようとするときは、あらかじめ次の事項を国保連に届け出なければならないと定めています。

  • 事業所の名称・所在地

  • 介護保険事業所番号

  • 電子情報処理組織(伝送)か光ディスク等かの別

  • 請求を開始しようとする年月

(出典:介護給付費及び公費負担医療等に関する費用等の請求に関する命令 第4条)

介護請求ソフトを新しく導入する場合や、伝送方式を変更する場合は、ソフト側の設定だけでなく、この届出もあわせて行う必要があります。導入スケジュールを立てる際は、届出にかかる時間も見込んでおいてください。

毎月の請求期限と、伝送データの到達タイミング

介護給付費等の請求は、各月分について翌月10日までに行うことと定められています。電子情報処理組織による請求は、国保連の電子計算機のファイルに記録された時点で到達したものとみなされます。

(出典:介護給付費及び公費負担医療等に関する費用等の請求に関する命令 第3条)

締切直前の伝送は、通信状況によっては到達確認が遅れることもあります。介護請求ソフトを比較する際は、伝送状況の確認画面が分かりやすいかどうかも見ておくと、締切前の不安を減らせます。

伝送を始めた後は、返戻・過誤対応という別の視点でも比較する

国保連伝送そのものに対応していても、実際の請求では返戻や過誤が一定の頻度で発生します。伝送機能の有無とは別に、返戻理由の確認や再請求のしやすさも、運用が始まってから重要になる比較の軸です。

返戻・過誤が発生した際に確認したい機能については、国保連請求ソフトの返戻・過誤対応で確認したい機能で詳しく紹介しています。

まとめ|小さく試し、現場に合う運用へ整える

介護請求ソフトの国保連伝送対応は、電子情報処理組織または光ディスク等による請求が原則という制度上のルールを踏まえたうえで、開始時の届出や毎月10日の請求期限まで含めて確認してください。運用が始まった後は、返戻・過誤対応のしやすさも比較の軸になります。

制度のルールを一つずつ確認しながら請求業務を整えている担当者の丁寧さが、正確な請求を支えています。

参考にした一次情報

  • 介護給付費及び公費負担医療等に関する費用等の請求に関する命令(e-Gov法令検索): https://laws.e-gov.go.jp/law/412M50000100020

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