見守りセンサーの種類は、利用者の何を検知するか(起き上がり、床に足を着いたこと、動き、心拍・呼吸、出入口の通過など)と、どこに置くか(シーツの下、床、壁やベッド下、出入口)で分かれます。この違いによって、利用者がベッドから降りる動作のどの段階で職員に知らせるかが変わるため、利用者の動き方と、職員が居室に駆けつけるまでの時間に合う種類を選ぶことが大切です。

この記事では、介護施設で使われる見守りセンサーの主な種類、検知方式ごとの注意点、通知の経路の違い、選ぶ前の確認手順を扱います。カメラを含む見守りシステム全体の仕組みは「見守りシステムとは|検知・通知・記録の3要素と見守りセンサーとの違い」で解説しています。

検知する動作で分けた主な種類

主な種類を、置く場所と知らせるタイミングで並べると次のようになります。

種類

置く場所

知らせるタイミング

起き上がり検知

マットレスの上(シーツの下)

上体を起こしたとき

ベッド端の検知

シーツの下(ベッドの端)

ベッドの端に寄ったとき

床マット型(荷重)

ベッドの降り口などの床

マットを踏んだとき

超音波・赤外線型

ベッド下・ベッド上・ドア周り

検知範囲に入ったとき

出入口のタグ型

出入口と利用者のタグ

タグを付けた人が近づいたとき

バイタル型

マットレスの下

在床の有無と心拍・呼吸の変化

ベッドの上で検知する種類は早く知らせる一方、起き上がっただけでベッドから降りない場合にも知らせます。床マット型や出入口のタグ型は、知らせる時点で利用者がすでに立ち上がっていたり、移動していたりします。超音波・赤外線型は、ベッドの上に向けるかベッドの下やドア周りに向けるかで、知らせるタイミングが変わります。居室から離れた場所にいる職員が駆けつける時間を考えて、どの段階で知らせれば間に合うかを利用者ごとに決めるとよいでしょう。なお、ドアや窓が開いたときに知らせるドアセンサーのように、利用者ではなく建物の側で検知する種類もあります。

バイタル型は、転倒の予防ではなく、在床の有無や心拍・呼吸の変化に気づくためのものです。ただし、見守りのためのセンサーには、疾病の診断や治療を目的としない製品もあります。表示される数値をどう扱うかは、看護職員や医師への連絡の手順とあわせて施設で決めておきます。

(参考:テクノスジャパン「離床センサー(病院・施設向け)」、フューチャーインク「Vital Beats」)

検知方式ごとの注意点

床マット型は、マットにかかる重さで検知するため、マットを踏まない経路で動いたときは知らせません。ベッドの反対側から降りる利用者や、床に敷いたマットを避けて歩く利用者には、ベッドの上で検知する種類が候補になります。製品によっては、マットの上で車いすを回転させることや、別のマットを重ねて敷くことに注意書きがあるため、取扱説明書を確かめます。

シーツの下に敷く起き上がり・ベッド端のセンサーは、利用者に気づかれにくい反面、寝返りなどの動きとの区別が製品ごとに異なります。寝返りによる誤った通知を抑える仕組みを備えた製品もありますが、実際の利用者で試して、どの程度鳴るかを確かめる必要があります。

超音波型は、物に当たった音波の跳ね返りで動きを検知し、カメラを使わずに見守れます。ただし、音波が届かない物陰の動きは検知しないため、家具やカーテンの位置によって検知できる範囲が変わります。模様替えをしたときは、検知範囲を設定し直します。映像で確かめる見守りカメラを検討する場合の配慮は「見守りカメラのプライバシー配慮|利用目的の通知・居室での同意・映像の閲覧と保存のルール」で解説しています。

出入口のタグ型は、タグを付けた利用者だけを検知するため、タグを身に着けていないときは知らせません。タグの付け方には手首や足首、衣服、車いすなどがあるため、利用者が外してしまわない付け方を選びます。

(参考:CAREai「ふむふむセンサー」「起き上がりセンサー」「超音波センサー」、テクノスジャパン「徘徊ナビ」)

通知の経路の違い

センサーが検知した情報を職員に届ける経路には、施設のナースコールにつなぐもの、専用の受信器で知らせるもの、Wi-Fiやインターネット回線を通じてスマートフォンやパソコンに届けるものがあります。同じ種類のセンサーでも、製品によって選べる経路が異なります。

ナースコールにつなぐ場合は、今あるナースコールが接続に対応しているかをナースコールのメーカーに確かめます。スマートフォンに届ける場合は、居室や廊下でWi-Fiが途切れないかを確かめる必要があります。建物と通信環境の確認は「介護施設の見守りシステムと通信環境|建物・電波干渉の確認点と試用の進め方」、インカムとの連携は「介護インカムとナースコール・見守りシステムの連携」で解説しています。

加算の要件に使う場合の確認

夜勤職員配置加算や生産性向上推進体制加算の要件でいう見守り機器は、利用者がベッドから離れようとしている状態または離れたことを感知できるセンサーで、その情報を外部通信機能により職員に通報できるものとされています。また、見守り機器を居室に置く際は、利用者または家族等に必要な説明を行い、同意を得ることとされています。

加算の算定を見込んで選ぶ場合は、候補の機器がこの定義に当たるかを、メーカーの資料と指定権者への確認で確かめてから決めます。要件の詳細は「夜勤職員配置加算|特養の区分と単位数・必要な夜勤職員数・見守り機器を使う場合の要件」と「生産性向上推進体制加算の要件|(Ⅰ)(Ⅱ)の違いと導入前調査・実績報告の準備」で解説しています。

(参考:厚生労働省「生産性向上推進体制加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例等の提示について」、老企第40号 令和6年度改正の新旧対照表)

選ぶ前の確認手順

  1. 利用者ごとに、防ぎたい場面を書き出します(ベッドからの転落、降りたあとの転倒、夜間の外出、体調の変化など)。よくある失敗は、施設全体で1種類のセンサーに決めてから利用者に当てはめることです。
  2. 利用者の動き方を観察します。起き上がってから立ち上がるまでの時間、どちら側から降りるか、床のマットを避けるかを見ます。よくある失敗は、日中の様子だけで判断し、夜間の動き方を確かめないことです。
  3. 職員が駆けつけるまでの時間から、知らせるタイミングを決めます。よくある失敗は、早く知らせる種類ほどよいと考え、ベッドから降りない動きでの通知が重なって対応しきれなくなることです。
  4. 通知の経路と居室の環境を確かめます。ナースコールへの接続の可否や、Wi-Fiの届き方を見ます。よくある失敗は、事務所の近くの居室だけで通信を確かめることです。
  5. 試用やデモ機の貸し出しを受けられる製品では、実際の利用者と夜勤で試します。鳴った回数、誤って鳴った場面、鳴らずに気づいた場面を記録します。よくある失敗は、数日の試用で記録を取らずに決めることです。
製品名特徴料金
CAREai ふむふむセンサー
公式サイト ↗
床への荷重を検知して離床・移動を知らせ、事故予防に役立てる。買い切り定価:ふむふむセンサー39,000円(Sサイズ32,000円)+ふむふむアダプター18,000円(セットで使用。税込・税抜の表記なし。デモ機貸出あり)
CAREai 起き上がりセンサー
公式サイト ↗
ベッド上の起き上がりや離床を検知し、転倒予防を支援する。買い切り定価:起き上がりセンサー24,000円+アラームBOX 有線20,000円/無線24,000円(セットで使用。税込・税抜の表記なし。デモ機貸出あり)
CAREai 超音波センサー
公式サイト ↗
超音波で離床や移動を検知し、職員へ通知する。カメラを使わずプライバシーに配慮。買い切り定価:1台20,000円(ナースコール連動・無線タイプは29,000円)。税込・税抜の表記なし(デモ機貸出あり)

まとめ

見守りセンサーは、何を検知するかとどこに置くかで種類が分かれ、利用者の動作のどの段階で知らせるかが違います。選ぶときは、利用者ごとに防ぎたい場面と夜間の動き方を書き出すところから始めます。そのうえで、職員が駆けつけるまでの時間と通知の経路に合う種類を絞り込み、実際の利用者と夜勤で試して決めてください。知らせるタイミングが利用者の動きに合っていれば、職員は転倒の前に居室へ向かいやすくなります。導入費用と効果の考え方は「見守りセンサーの費用対効果|費用の内訳と効果の測り方・試用期間の記録の取り方」で解説しています。

参考