請求書クラウドサービスは多数あり、機能も似て見えるため、何を基準に比べればよいか分かりにくくなりがちです。介護事業者の場合、一般的な請求書サービスの機能に加えて、法令対応と複数事業所での運用のしやすさが比較の軸になります。

結論として、価格や見た目の使いやすさよりも、自社の取引実態(課税・非課税の混在、事業所数)に対応できるかを先に確認することが失敗を避ける近道です。

比較の軸1:インボイス制度と非課税取引の混在に対応できるか

国税庁は、適格請求書の記載事項として、発行者名と登録番号、取引年月日、取引内容、税率ごとの対価と適用税率、消費税額などを示しています。介護サービスには非課税となる取引もあるため、課税・非課税が混在する請求に、同じ請求書クラウド上で対応できるかを確認します。

比較の軸2:電子取引データの保存要件を満たせるか

国税庁の電子帳簿保存法一問一答では、令和6年1月以降、電子的に授受した請求書などの取引データは、原則として電子データのまま保存することが求められています。請求書クラウド上でこの保存要件を満たせるか、検索性や訂正・削除の履歴が残る仕組みかを確認します。

比較の軸3:複数事業所・複数拠点での運用に対応できるか

  • 事業所ごとに請求書のフォーマットや振込先を分けられるか

  • 拠点をまたいだ権限設定(閲覧のみ・発行可能など)ができるか

  • 本部で全拠点の発行状況を一覧できるか

  • 既存の介護ソフトや会計ソフトとデータを連携できるか

単一事業所向けの請求書クラウドをそのまま複数拠点で使うと、権限管理や集計が煩雑になることがあります。拠点数が多い法人ほど、この軸を優先して確認してください。

まとめ|小さく試し、現場に合う運用へ整える

請求書クラウドを比較するときは、インボイス制度への対応、電子取引データの保存要件、複数事業所での運用のしやすさという3つの軸で確認します。価格表だけでなく、自社の取引実態に合うかを無料期間中に試してください。

制度の変更にも対応しながら請求業務を支えている担当者の確認作業が、正確な経理処理につながっています。

参考にした一次情報

  • 国税庁 適格請求書等の記載事項: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6625.htm

  • 国税庁 電子取引関係: https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/tokusetsu/01.htm