勤怠管理システムは、出退勤の打刻から集計、割増賃金の判定までを自動化する仕組みです。介護施設では、夜勤、変形労働時間制、直行直帰といった条件が重なるため、一般的な勤怠管理システムがそのまま使えるとは限りません。
選定の軸は、機能の豊富さよりも、自施設の勤務形態を正しく再現できるかどうかです。まず何を自動化したいかを整理してから比較すると、選びやすくなります。
比較では6つの機能を確認
打刻方法:スマートフォン、ICカード、生体認証など、現場に合う方法を選べるか
夜勤・深夜割増:深夜時間帯の労働を自動で判定できるか
変形労働時間制:変形期間内の週平均労働時間を確認できるか
シフト連携:シフト管理システムの勤務予定と実績を突き合わせられるか
休暇管理:有給休暇や特別休暇の残日数を管理できるか
給与連携:給与計算ソフトへ実績データを受け渡せるか
6つすべてを満たす製品は多くありません。まずは夜勤・深夜割増と変形労働時間制の自動判定を必須条件とし、シフト連携や給与連携は既存システムとの相性も含めて比較すると、優先順位をつけやすくなります。
変形労働時間制を使う場合は、就業規則との一致を確認する
厚生労働省の資料では、変形労働時間制の導入には、労使協定または就業規則に変形期間や労働日ごとの労働時間を具体的に定める必要があるとされています。システムの設定は、あくまでこの就業規則の内容を反映するものです。
システムを導入しても、就業規則の定めが曖昧なままでは、正しい集計ができません。導入前に、変形期間の単位や労働日ごとの時間配分を書面で確認しておきます。
無料体験では夜勤を含む1か月分のデータで確かめる
夜勤・変形労働時間制を含む職員数名分のデータを匿名化して試す
深夜割増と週平均労働時間の計算結果を、現在の手計算と突き合わせる
直行直帰の職員に実際に打刻してもらい、通信環境での動作を確認する
給与計算ソフトへのデータ連携を試す
ケアロジカのおすすめはこちら
勤怠機能を含む製品の一例です。給与計算まで一体で管理したいか、勤怠を中心に他業務も含めてまとめたいかで選び方が変わります。
価格 | 月額/年額(プラン別・要問い合わせ) | 月額(勤怠ライト300円/職員、基本機能は要問い合わせ) | 料金表による(居宅介護支援5,000円/月〜など) |
|---|---|---|---|
特徴 | 給与・勤怠・人事・労務手続きをクラウドで一元化 | 勤怠、記録、情報共有などをつなぎ、介護事業所の業務を効率化 | 請求、記録、勤怠、経営支援などをまとめて利用できるクラウド型ソフト |
おすすめポイント | 勤怠と給与計算を1つのシステムでまとめたい施設に向く | 勤怠だけでなく記録・情報共有も含めて業務全体を効率化したい場合に向く | 請求・記録・勤怠・経営支援まで1つのソフトに集約したい事業所に向く |
まとめ|小さく試し、現場に合う運用へ整える
勤怠管理システムは、夜勤・深夜割増、変形労働時間制、シフト連携、給与連携を軸に比較します。就業規則の内容とシステムの設定が一致しているかを導入時に確認し、夜勤を含む1か月分のデータで試すと、切り替え後の誤りを防げます。
夜勤シフトの実態を正確に記録しようと工夫を重ねてきた担当者の積み重ねが、公正な労務管理につながっています。
参考にした一次情報
厚生労働省 変形労働時間制の概要: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/roudouzikan/henkei.html